2019-01-01から1年間の記事一覧

2019年見ていたアニメ

今年見たアニメの感想。こういう年間まとめ記事を作り始めてもう五年目。とりあえず見た数だけなら120とか?あったなかからツイッターで書いてた感想をもとに60作くらいでざっとまとめた。なおネタバレを気にせず最終話の感想も突っ込んでいるので注意。話数…

2019年に読んでいた本

今年読んだ本のなかから九冊。これはツイッターの140字に収まる字数で選んだので冊数に意味はないけどこれくらいがちょうど良いかと思った。外地巡礼作者:西 成彦出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2018/01/19メディア: 単行本西成彦『外地巡礼』 後藤明生…

『白い人・黄色い人』『82年生まれ、キム・ジヨン』『月と太陽の盤』『ヤゴの分際』『物語ポーランドの歴史』『方形の円』

白い人・黄色い人 (講談社文芸文庫)作者:遠藤 周作出版社/メーカー: 講談社発売日: 1996/04/10メディア: 文庫遠藤周作『白い人・黄色い人』文芸文庫版。「白い人」、犬を折檻した女中に魅惑され、ナチ占領後のリヨンでゲシュタポに協力して神学生の友人を裏…

共著『現代北海道文学論』が刊行されました

現代北海道文学論―来るべき「惑星思考(プラネタリティ)」に向けて発売日: 2020/01/01メディア: 単行本現代北海道文学論 来るべき「惑星思考」に向けての通販/岡和田 晃/岡和田 晃 - 小説:honto本の通販ストア JRC一手扱い― 藤田印刷エクセレントブックス こ…

オルガ・トカルチュク『プラヴィエクとそのほかの時代』

プラヴィエクとそのほかの時代 (東欧の想像力)作者:オルガ トカルチュク出版社/メーカー: 松籟社発売日: 2019/12/01メディア: 単行本松籟社の〈東欧の想像力〉叢書第十六弾は先頃2018年のノーベル文学賞を受賞したオルガ・トカルチュク。本書は本国で1996年…

田中里尚 - リクルートスーツの社会史

リクルートスーツの社会史作者:田中里尚出版社/メーカー: 青土社発売日: 2019/09/26メディア: 単行本ご一緒した『北の想像力』では清水博子と安部公房を論じていた田中さんの専門が女性史や服飾文化だということは知っていたけれどそちらの仕事は読んだこと…

『パラドックス・メン』「幼な子の聖戦」「犬のかたちをしているもの」「会いに行って――静流藤娘紀行」「かか」「改良」「正四面体の華」『黄泉幻記』『夢の始末書』

パラドックス・メン (竹書房文庫)作者:チャールズ・L. ハーネス出版社/メーカー: 竹書房発売日: 2019/09/12メディア: 文庫チャールズ・L・ハーネス『パラドックス・メン』。記憶をなくした主人公アラールが、奴隷制が復活したアメリカ帝国で盗賊という秘密結…

アンソロジーを読んだ――『アステリズムに花束を』『危険なヴィジョン〔完全版〕』『BLAME! THE ANTHOLOGY』『居心地の悪い部屋』『変愛小説集』『どこにもない国』『時間はだれも待ってくれない』 『東欧怪談集』『チェコSF短編小説集』『ゲイ短編小説集』『レズビアン短編小説集』

去年は二〇〇ページ前後の薄い本ばかりを読んでいた覚えのある秋、最近は唐突にアンソロジーばかりを読んでいた。計13冊のアンソロジー。百合SFからレズビアン文学まで、と書くと狭いな。 アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー (ハヤカワ文庫JA)作者: S‐…

『明日 一九四五年八月八日・長崎』 『五分間SF』『怪談』『インスマスの影』『聖なる酔っぱらいの伝説 他四篇』「百の剣」

明日 一九四五年八月八日・長崎 (集英社文庫)作者: 井上光晴出版社/メーカー: 集英社発売日: 1986/07/18メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (18件) を見る井上光晴『明日 一九四五年八月八日・長崎』 タイトル通り長崎での原爆投下の前日の戦…

「図書新聞」2019年9月7日号にはちこ著『中華オタク用語辞典』の書評が掲載

表題通りの原稿を書きました。おそらく昨日から書店などで入手できると思います。電子版もコンビニで買えます。「図書新聞」2019年9月7日号にはちこ著『中華オタク用語辞典』の書評が掲載されました。文字通りの本ですけども、中華圏のネット用語から日本と…

「鶴鳴」「文藝」2019年冬号「韓国・フェミニズム・日本」『ニグロとして生きる』『壜の中の水』『母の記憶に』『草を結びて環を銜えん』『新・韓国現代史』

文藝 2019年秋季号出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2019/07/05メディア: 雑誌この商品を含むブログを見る文藝2019年秋号、陣野俊史の中篇「鶴鳴」。2016年オバマ米大統領の広島訪問で贈られた折り鶴をたどり、ケニア系米国人オバマ、アルジェリア系の…

『会いに行って――静流藤娘紀行』『風景のない旅』『外地巡礼』『藤枝静男著作集四巻』『日本浪曼派』 『ナイトランド・クォータリーvol.17』『天安門』『ブラマタリの供物』

笙野頼子『会いに行って――静流藤娘紀行』(第一、二回) 群像 2019年 05 月号 [雑誌]出版社/メーカー: 講談社発売日: 2019/04/05メディア: 雑誌この商品を含むブログを見る群像 2019年 07 月号 [雑誌]出版社/メーカー: 講談社発売日: 2019/06/07メディア: 雑…

原佑介『禁じられた郷愁 小林勝の戦後文学と朝鮮』

禁じられた郷愁―小林勝の戦後文学と朝鮮作者:原 佑介出版社/メーカー: 新幹社発売日: 2019/04/01メディア: 単行本小林勝(1927-1971)というと、いまは新刊で入手できる本もなく、いくつかのアンソロジーに作品が入っているくらい*1で、あまり一般的な知名度…

図書新聞に陣野俊史さんとの対談が掲載

本日発売の図書新聞2019.6.15日号に「故郷喪失から意味の解体へ」という後藤明生『笑いの方法』刊行を期した、私東條慎生と陣野俊史さんによる対談が掲載されています。同じくつかだま書房刊の『引揚小説三部作』をも題材に、引揚げ、方言、歌などについて触…

朝鮮、引揚げ、部屋――日野啓三の初期小説四冊

最近日野啓三を読んでいた。日野といえばSFを取り入れたりした八〇年代頃の都市幻想小説がたぶん代表作になるかと思う。『天窓のあるガレージ』『夢の島』『砂丘が動くように』といった作品で、これは私もむかし読んでいたけど、日野は六〇年代読売新聞の外…

『ブギーポップ・リターンズ VSイマジネーター』『砲撃のあとで』『戦後短篇小説再発見7 故郷と異郷の幻影』 『パルチザン伝説』「ベンヤミンのメキシコ学――運命的暴力と翻訳」

ブギーポップ・リターンズ VSイマジネーターPart1 (電撃文庫)作者: 上遠野浩平出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス発売日: 2015/01/10メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る上遠野浩平『ブギーポップ・リターンズ VSイマジネー…

双子のライオン堂での『骨踊り 向井豊昭小説選』刊行記念イベント

2019/3/8(金)19:30〜『骨踊り 向井豊昭小説選』(幻戯書房)発売記念!座談会その後/ゲスト:岡和田晃・東條慎生・山城むつみ | Peatix 骨踊り作者: 向井豊昭出版社/メーカー: 幻戯書房発売日: 2019/01/26メディア: 単行本この商品を含むブログを見る岡和…

第39回日本SF大賞・最終候補作を全部読む。

第39回日本SF大賞・最終候補作が決定しました! - SFWJ:日本SF大賞 表題通り、今月末に発表予定のSF大賞の候補作を全部読んだので感想をまとめる。名もなき王国作者: 倉数茂出版社/メーカー: ポプラ社発売日: 2018/08/03メディア: 単行本この商品を含む…

デボラ・フォーゲル『アカシアは花咲く モンタージュ』

アカシアは花咲く―モンタージュ (東欧の想像力)作者: デボラフォーゲル,Debora Vogel,加藤有子出版社/メーカー: 松籟社発売日: 2018/12/28メディア: 単行本この商品を含むブログを見るブルーノ・シュルツ作品の成立にもかかわりながら、ナチスドイツ占領下リ…

川上亜紀『チャイナ・カシミア』

チャイナ・カシミア作者: 川上亜紀出版社/メーカー: 七月堂発売日: 2019/01/01メディア: 単行本この商品を含むブログを見る*1 去年亡くなった詩人でもある作家の作品集。「早稲田文学」掲載の表題作と、同人誌「モーアシビ」掲載作三篇の計四篇を収める。笙…

『「私」をつくる』『日本の同時代小説』『トリストラム・シャンディ』『うどん キツネつきの』『ブギーポップは笑わない』『日本の近代とは何であったか』『戦後史入門』

「私」をつくる――近代小説の試み (岩波新書)作者: 安藤宏出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2015/11/21メディア: 新書この商品を含むブログ (5件) を見る安藤宏『「私」をつくる』、近代小説の試み、と副題にあるとおり、二葉亭から牧野信一等の近代小説につ…

『骨踊り 向井豊昭小説選』(幻戯書房)の解説鼎談に参加しました

骨踊り作者: 向井豊昭出版社/メーカー: 幻戯書房発売日: 2019/01/26メディア: 単行本この商品を含むブログを見る1/25日頃刊行予定の『骨踊り 向井豊昭小説選』(幻戯書房)に付された鼎談「向井豊昭を読み直す」に、岡和田晃、山城むつみ両氏とともに私も参…