2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「リベラシオン」190号に鶴田知也についての記事を寄稿

「リベラシオン 人権研究ふくおか」190号(2023年夏)に「鶴田知也再考――『リベラシオン』第一八九号を読む」を寄稿しました。表題通り前号での鶴田知也特集に寄せられた論考にコメントをしつつ、私の鶴田知也論と後藤明生論についての概要を紹介した記事で…

トーマス・ベルンハルト『息 一つの決断』

息: 一つの決断作者:トーマス・ベルンハルト松籟社Amazonオーストリアの作家ベルンハルトの自伝的五部作の三作目、邦訳としては四作目になる。語り手が死の淵を彷徨う肺の病によって終末期患者の病室で死を間近にして過ごしている時、敬愛する祖父の死を知る…

文学フリマ東京36のメモ

2023年5月21日、文学フリマ東京に行ってきた。行く途中の電車で和装の男性を複数見かけて、これは文学だろう、文学に違いない、と思っていたら浜松町でモノレールに乗り換えていたのでやはり文学だった。 文学が来た かなり長い行列アーリーバード・ブックス…

小島信夫『小説作法』

小説作法 (中公文庫 こ 62-1)作者:小島 信夫中央公論新社Amazon小島信夫の既刊収録のエッセイと、単著未収録多数の講演で半々という編集の小説論アンソロジー。「訥々としているが、頗る能弁」という通りの小島の語り口は独特のものがあり容易にまとめられな…