
- アーティスト: ドラマゴッズ
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2005/12/16
- メディア: CD
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エクストリームのベストも聴いてはみたが、ハイトーンのゲイリー・シェローンのヴォーカルが肌に合わないし、楽曲も全然趣味じゃなかった。
私にとって、ヌーノ・ベッテンコートというのは優れたソングライターにしてヴォーカリストだという認識になっている。しかし、Amazonあたりでヌーノのソロにつけられるレビューというのが、ギターをもっと弾きまくれだの、エクストリームよもう一度みたいなノリばっかりで、なんともクソ食らえなもんばっかりだ。
基本はハードロックで、グランジっぽいとかも言われているが、やはりメロディ重視、歌重視でそして格好いいロックというのが私の印象。非常に主観的な言い方になるが、私が洋楽ロック、と聴いて考える格好良さのど真ん中にある、という感じだ。
ヌーノという人はかなりのマルチプレイヤーで、初めてのソロ名義のアルバムなどは、ヴォーカル、ギター、ドラム、ベースからプロデュースまでを全部一人で仕上げてしまうという、すべての楽器演奏がプロレベルという多彩な人で、ギタリストという枠に収まらない。
そういう人が、楽曲全体の総合性を考えたきわめてまっとうな方向を志向するのは、まあ、当然とも言うべきだろう。だから、ギタリストとしてのヌーノ像しかない人からは、期待はずれだとかいわれてしまう。
このドラマゴッズはヌーノ・ベッテンコートが結成したバンドで、これはそのファーストアルバムで現在のところ最新作。2005年作。
ヘヴィなロックからメロディアスで優しげなバラード、アコースティックギターを使った曲など多彩で、歌ものロックとして完成度は高い。ただ、少しミドルテンポの曲が多めで印象がかぶりがちかな。
このアルバムで好きな曲を選ぶとしたら、何はなくとも、1の「Megaton」と3の「Bury You」だ。とにかくこの二曲は聴きまくった。
1は特にサビがあるような曲ではないが、逆にそれがいい。サビがしつこすぎて一回聴いただけで食傷してしまうような曲にはない格好良さだ。間奏でのギターとベースのソロ合戦からギターソロへと移行する展開もなかなか良い。
Dramagods - Megaton
最初音がずれている。
3はおまえを埋めてやる、というタイトル通り、いやに暗い曲だが、ドラマティックなメロディの良さは今作随一だと思っている。ライナーでこれは父のことを歌った歌なんだとヌーノが解説した歌詞にも注目。ここでのヌーノの声は最高だな。
個人的にはこの二曲が突出しているが、他にも良い曲は多い。特に8の静かなバラードはメロディの素朴な良さで光る。
Dramagods - Something About You
また、11の「So'k」はいかにもヌーノといった感じのリフが印象的なリズミカルな曲。これまでのアルバムなら一曲目くらいに入っていたような感じがする。サビでメロディアスに展開するところがすごくいい。
全体にミドルテンポの曲が多めで、後半ちょっとだれる。もう少し曲数を絞った方が良いような気もする。まあ、しかし、上記の二曲で私としては充分ではあるし、他にも佳曲は多い。そろそろ新アルバムとかの情報が出ても良いと思うが。