BlackMore's Night - Ministrels and Ballads

吟遊詩人のバラード?ザ・バラード・コレクション

吟遊詩人のバラード?ザ・バラード・コレクション

Deep Purple、Rainbowとハードロック史に名を残すバンドに在籍した歴史的といっていいギタリストであるリッチー・ブラックモア*1が97年に結成したのが、このフォーク・ロックバンド、ブラックモアズ・ナイトだ。どうも、70年代くらいからこういう音楽をやりたいと思っていたらしい。

恋人であるキャンディス・ナイトの澄んだ声をヴォーカルに、ブラックモア自身は主にアコースティックギターを手にして、フォーク、民謡、いろいろな土地の土着の音楽を演奏している。

このアルバムは2001年発表のバラードを集めたというベストで、ちょうど聞きたいと思っていたときに中古で1000円以下で買えたという運の良い買い物だった。まあ、ベストなので、気分的には試し聴きだが、これがなかなか良い。オリジナルアルバムを何枚か聞いてみようと思わせるものはある。

まあ、バラードベストというので、曲調が似る部分が多いのは仕方がないが、基本どれもなかなか聞かせる出来で、トゲトゲしい部分がないので、ゆっくり聞くには適したアルバムだ。

印象深いものとしては、一曲目のボブ・ディランのカバーは、明るく開放的な雰囲気がある。ハーモニカでなく笛のユーモラスな音色のせいもあるが、フォーキーで馴染みやすい曲調だ。

他にも、グリーンスリーブスがやはり良いのと、プログレリスナーには見過ごせないルネッサンスの「オーシャン・ジプシー」。「オーシャン・ジプシー」はさすがに名曲で、ここでもキャンディス・ナイトのヴォーカルは良いのだけれど、聞くほどにアニー・ハズラムのすごさが思い出される。

あと、一番好きなのはBenzai-ten。東洋風(中国風か?)のメロディってなぜか非常に琴線にふれることがあるんだけれど、これもイントロからかなりはまる。歌メロの懐かしいような優しい雰囲気がよい。かなり良い。

リッチーには以前のエレクトリックギターのハードなプレイを期待する人が多いみたいだが、これも結構よいと思うな。まあ、パープルもレインボーもそれなりに聞いたが、それなり、でエレキのリッチーにそんなに思い入れがないからそう思うのかもしれんが。

Blackmore's Night - The times they are a changin'

*1:どうでもいい話だが、タクティクスオウガの死者の宮殿最下層にはブラックモアという名前のリッチ(ネクロマンサーのこと)がいた。http://ogre.org/ogrebattle/Firecrest.html 当時このネタの面白さをわかる奴が誰もいなかった。あとたぶんアルプス伝説のリッチー先輩も名前の由来は彼から来ていると思う。