Porcupine Tree - In Absentia

In Absentia

In Absentia

今年最新作が出たけれど、いまいちなので(もうちょっと聞いてみるけれど)それはスルーして今回は「Deadwing」の前作にあたる「In Absentia」。2002リリース。

メジャー第一弾という本作は、「Deadwing」に比べてプログレ度低めでより聞きやすい感じ。音楽性は基本的に変わらず、浮遊感あふれる音空間にメタル色も取り入れたモダンでヘヴィなハードロックが混ぜ合わされ、ひねりのあるコーラスを活用したメロディが光る歌ものとしての出来も秀逸なきわめて現代的なサウンド

粒揃いで、「Deadwing」ほどプログレよりではないので、人に勧めやすいと思われる。なかなかの好盤。しかし、アンビエントな感じの曲が多めで、かつ似た曲もあり、68分の収録時間は少々だれる。3、4曲ほど削った方が良かったのではないかと思う。

1.Blackest Eyes (4:23)
冒頭を飾るにふさわしいポキュパらしさが良く出た名曲。メタリックでキレのいいリフと、爽やかですらある歌メロの取り合わせがすばらしい。「Deadwing」での「Shallow」と同系の曲で、これも今作で一番気に入った曲だ。

2.Trains (5:56)
前曲をよりメロウにスローテンポにしたような曲で、ドラマティックに盛り上がる秀逸なバラード。

3.Lips Of Ashes (4:39)
独特のメランコリックな浮遊感に満ちている。メロディがまた印象的でクセになる。

4.The Sound Of Muzak (4:59)
これも独特の空気感を持った曲で、淡々と進むのだけれど、メロディがポップなところもあって、なかなか良い。

5.Gravity Eyelids (7:56)
最初はまたもや空気感重視のぼんやりとした曲だが、中盤からメタリックなリフが主導し始めて、SE的なキーボードが唸りをあげていく。終盤、最初のメロウな歌に戻って終了。

6.Wedding Nails (6:33)
ギター主導のアップテンポなインストナンバー。爽快なメタリックギターが疾走する。

7.Prodigal (5:32)
コーラスを生かした情感ある歌メロが良い。この手のちょっとメランコリックで情感的な歌を作らせると上手い。

8..3 (5:25)
うねるベースがリードするイントロ。明確なメロディを奏でるわけではないギターやキーボードが鳴り、静かに進行していく。後半になりアコースティックな曲調に代わり、スローなヴォーカル。そしてまたベースがリードするパートに。

9.The Creator Has A Mastertape (5:21)
今度はよりアップテンポなベースがリードしていき、ハードメタリックなギターも現れ、前曲と好対照を成している。スピード感あふれた好曲。

10.Heartattack In A Layby (4:15)
アコギ、ピアノとシンセをバックに暗い憂鬱な歌が歌われる。

11.Strip The Soul (7:21)
ミドルテンポの曲調にハードなギターリフから突然アコギ風の演奏が現れたりする。

12.Collapse The Light Into Earth (5:54)
静かなエンディング。