Ritual - Superb Birth

Superb Birth

Superb Birth

スウェーデンのトラッド・ハードロックバンド、リチュアルのセカンドアルバム。1999リリース。1st(http://d.hatena.ne.jp/CloseToTheWall/20070712/p1)と3rd(http://d.hatena.ne.jp/CloseToTheWall/20070713/p1)はすでに聴いているので、オリジナルアルバムは今のところこれで全部。

プログレっぽさは抜けて、エスニックなハードロックとしての側面を強調した作風になった。ギターリフもそうだが、ダルシマー、ブズーキ等を用いた民族音楽色が魅力だ。牧歌的な雰囲気は薄れ、エスニックな要素を強調したハードロックといった方向へ傾いている。レッド・ツェッペリンの影響が色濃い雰囲気だ。

クレジットを見た限り、今作ではトーベ・ヤンソンあるいはムーミンがらみの曲はないみたいだ。1stも3rdにもあったのに。

なお、現在流通しているバージョンは、初発時から曲順を変えて収録されている。私の持っているものもinside outの再発盤だ。が、聞き比べてみて、再発時の曲順は個人的に良いとは思えないので、以下オリジナルの曲順で書く。

1.Dinosaur Spaceship (6:11)
ひねりのきいたタイトなハードロック。イントロの入り方や、エスニックな色彩のあるギターリフ、イエスのクリス・スクワイアの影響が強いと思われる野太いベース、後半のキーボードソロでの不思議なフレージングなどなど、聴き所は多い。

2.Golden Angel (4:28)
アコースティックギターによる曲。これはツェッペリンぽいな。アコースティックギターの音色がやはりエスニックな雰囲気がある。12弦ギターか。良い雰囲気の佳曲。

3.Coming Home (4:51)
やはりエスニックな雰囲気のあるハードロック。そんなにハードでもないかな。ポップなメロディと随所にダルシマーなどの演奏が差し挟まれた変わった作りの曲。

4.Really Something (3:52)
ハードアンドヘヴィなリフと、一転瞑想的な雰囲気のサビを持つ。

5.Lobby (4:49)
ブズーキっぽいギターと加工したヴォーカルを用いたエスニックハードロック。ギロによるエンディング。

6.6/8 (2:48)
バイオリン、チェロ、ヴィオラ、ラップ・スティールといったゲストを迎えている。ギターとベースのユニゾンリフ、キーボードが出している風の音みたいな変な音なども面白い。というか、このバンドのキーボードは、かなりエキセントリックなフレーズばかりな気がする。

7.Into The Heat (4:59)
やはりエスニックなギターのイントロが印象的な一曲。ツェッペリン色が強く感じられる。

8.Sadly Unspoken (3:55)
アコギ曲。1stではアコギ曲は牧歌的な感じだったが、今作のアコギはツェッペリンぽい感じがあり、エスニック。

9.Did I Go Wrong (5:38)
なぜかシングルカットされたらしい曲。ダークな雰囲気で重いメロディ。

10.Mothersong (3:55)
エスニックなギターリフが印象的な一曲。この音色は普通にギターで出せる音なんだろうか。そしてキーボードはここでも、風の音っぽい妙な音を出している。

11.A Voice Of Divinity (3:34)
ピアノとヴォーカル。いかにも終わりを感じさせる曲調で、メロディも綺麗なかなりの良曲。

12.Do You Want To See The Sun (4:01)
名曲。前曲のしめやかな曲調からの流れがよい。変なギターリフ、ここでは正統派なピアノ、Aメロの秀逸さと感動的なサビ。この曲はどう聴いても終わりの方にこなければならないだろう。

再発時の曲順は、この名曲を冒頭に持ってきてインパクトを与えようとしたのだろうけれど、そのせいでアルバム全体の流れが非常に悪くなってしまっている印象だ。是非ともオリジナルの曲順をお勧めする。特にラスト2曲の流れが素晴らしい。冒頭3曲くらいの流れもオリジナルの方が良いと思う。

さて、どうやら来月には四年ぶりの新作が出るようで、期待大だ。

Hemulic Voluntary Band

Hemulic Voluntary Band

ムーミン大好きハードロックバンドなリチュアルだが、ついにアルバムタイトルまでムーミンがらみになった。元ネタは、ヘムル有志(自由)楽団(Hemulic Voluntary brass Band)らしい。

数曲試聴可
http://www.myspace.com/ritualsweden