The Flower Kings - The Rainmaker

Rainmaker

Rainmaker

フラワーキングスの2001年リリース、通算七作目か。前作に続き一枚もののアルバムで、コンパクトながらもハードな曲から穏やかなインストまで多彩さがあり、ファンタジックで暖かいヴォーカル曲も健在。前作より多少地味な方向ではあるものの、よりしっとりとした感触があり、それが心地よくもある良作。

また、前作から加入のベース、ヨナス・ラインゴールドのベースプレイがより奔放になり、冗談みたいに動き回るアグレッシブさが面白い。

1.Last Minute On Earth (11:51)
ハードなリフを中心に展開するパワフルかつダイナミックなオープニング。中間部でのギターとキーボードのソロバトルが聴かせる。

2.World Without A Heart (4:30)
心にしみる暖かいヴォーカル曲。こういう曲の秀逸さが、フラキンの良いところだと思う。

3.Road To Sanctuary (13:49)
キーボードのコミカルな音色が楽しい長尺曲。前半のギターソロ部でのキーボードの音がまた面白い。この曲は特にトマス・ボディーンをフィーチャーした曲なのかな。それでいてヴォーカル曲の夢見心地なメロディライン。テクニカルなパートからラストは叙情的なインストへと展開し、綺麗に終わる。

4.The Rainmaker (6:02)
インスト。ギターソロなどを挾むが、穏やかで静かにキーボードが響く。

5.City Of Angels (12:04)
一転、明るく、アップテンポな曲調。サビのメロディが秀逸な名曲。

6.Elaine (4:56)
これもヴォーカルメイン。動き回るベースが聴き物のミドルテンポのバラード調。良曲。

7.Thru The Walls (4:28)
これも歌をメインにしたやさしげな曲調。

8.Sword Of God (6:03)
ハードなギターをメインに、Hans Frobergのパワフルなヴォーカルが冴える。中間部でのキーボードのメロディが非常に印象的、そこからギターが変奏し、インスト部に展開していくところはなかなか良い。

9.Blessing Of A Smile (3:09)
キーボードメインのインスト。

10.Red Alert (1:07)
アップテンポな軽快なインスト。次曲へのイントロのような感じ。

11.Serious Dreamers (9:00)
キーボードが盛り上がったところで、美しいコーラスのサビメロディが出てくる。歌メロの綺麗さはフラキン随一だろう名曲。

2、5、11などのファンタジックでハートウォーミングなヴォーカル曲が要所要所に配置され、全体のイメージを決定づけている。ハードな感じは前作よりは減退しているが、その分、ヴォーカルパートの叙情性がアップした感じがある。


The Flower Kings - Last Minute On Earth