Wishbone Ash - Live In Hamburg

Live In Hamburg

Live In Hamburg

ウィッシュボーン・アッシュの2007年リリースのライブアルバム。2007年頭のハンブルグでのライブを収録、メンバーはAndy powell(G)、Muddy Manninen(G)、Bob Skeat(B)、Joseph Crabtree(Dr)((ちなみに現在ドラマーが交替している))。アルバム「Clan Destny」発表後のライブで、同アルバムから五曲が収録されている。

さて、昨日に続いてこれもまたギターが目一杯つまった傑作ライブアルバム。アッシュのオフィシャルライブ盤としてはなんと(調べた限り)はじめて、ワンステージをまるまる収録した二枚組ライブで、計134分もの収録時間となっている。これまでのライブ盤はライブデイトシリーズにしろLP二枚組のせいぜい80分前後で、CD時代になってもオフィシャルでは一枚物のライブばかりで、どうしても食い足りない感じが強かったんだけれど、やっとのことでCD二枚組の登場。二時間以上に渡って、延々ツインギターの饗宴が楽しめる、おなかいっぱいの格好良さ。

選曲は二枚組とあって新作から五曲も入っているうえ、定番のアーガスからも四曲が収録されている。他の曲でも、黄金期と90年代以降とでほぼ半々の割合になっているところが非常にバランスが良いと感じさせる。ただ一点の不満は、どうせなら「Throw Down The Sword」が欲しかったということ。

それ以外にも、そもそもライブで演奏されるのがきわめて珍しいという「Sorrel」やあまり見ない「Why Don't We」の格好良さに驚かされ、なにより収穫だったのは「Valediction」だ。セカンド「Pilgrimage」収録の曲で、初期のオリジナルアルバムは「Argus」しかもっていない(各アルバムのデラックスエディションがリリース予定で、それ待ちの為)私には、アッシュにこれほどの名曲があったとはと驚かされた。哀愁に満ちたバラードで、名曲「ビーコン」以上の名曲だ。イントロから歌に入った時点で名曲を確信したほどのツボをつかれた一曲。素晴らしい。

他にも、90年代以降の「Raven」や「Capture the Moment」、大作の「Tales of the Wise」などが黄金期の曲との違和感を感じさせずに嵌っているのが面白い。特に「Sorrel」から「Capture the Moment」への流れは自然で、数十年の隔たりをまるで感じさせない。まさに今も現役を続けているという充実ぶりが伺える。

アッシュのライブのなかでは特に名演というほどのものではないようだけれど、充分以上のテンションだと思う。ただ、いくつかの曲で歌えないためか、メロディを変えて歌っていて、特に「The Warrior」や「Sometimes World」などの往年の名曲で顕著なのが残念といえば残念。これは、マーティン・ターナーの声域がいまのメンバーと合わない、ということなのだろうか。

とにかく、ギター、ギター、ギターのライブで、選曲のバランス、収録時間の点で個人的には非常にお勧め。70年代までしか聴いていない、とか最近のアッシュはどうなんだろうという人には過去曲もセレクトされたこれがいいんじゃないだろうか。最近のものとしてはギターの前任ベン・グランフェルト時代の「Almighty Blues」が名演らしいけれど、私は未聴。

なお、Amazonでは高い商品しか生きていないけれど、HMVでは2000円くらいのが在庫にあるのでそっちをおすすめ。

2007年のライブ。すでにドラマーが交替しているものも。
Wishbone Ash - The King Will Come - 2007

Wishbone Ash Why Dont We Live on TV Aug 2007

1. Eyes Wide Open
2. Healing Ground
3. King Will Come
4. Warrior
5. Why Don't We
6. Dreams Outta Dust
7. Raven
8. Sometimes World
9. Valediction
10. Sorrel
11. Capture the Moment
 
1. Tales of the Wise
2. Almighty Blues
3. Standing in the Rain
4. Phoenix
5. Blind Eye
6. Ballad of the Beacon
7. Blowin' Free