
- アーティスト: Nancy Whiskey
- 出版社/メーカー: インディーズ・メーカー
- 発売日: 2006/03/08
- メディア: CD
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ギター、ヴォーカル、アコーディオン、マンドリン、ティン・ホイッスルの釣部修宏とドラム、パーカッション、マリンバ、ヴァイオリンの久保ケンリのユニット。ソウルフラワーの次に紹介しようと思ったのは、彼らの音楽が、アコーディオンを大きくフィーチャーしていて、トラッド色を導入したロックだからだ。ソウルフラワーがアイリッシュで、ナンシーウィスキーはスコティッシュ音楽をルーツにしているという印象。聞いているとかなり懐かしい感じがするのは、小学校や日常生活で耳にするような音楽とその根が同じだからだろうか。
ただ、ナンシーはややパンクよりな激しさがある。逆に、アコースティック中心のしみじみとした叙情を感じさせる曲もある。
SFUもナンシーウィスキーも、どちらも飲んだくれのための音楽、という感じがするのも共通点。ただ、ナンシーのほうはかなりやさぐれた飲んだくれという感じで、SFUの肯定性を核にした明るさとはやや異なる。それがまた良い味出している。ヴォーカルのややかすれていた声がとても良い味を出している。
で、このミニアルバムには6曲収録されているんだけど、どれも良曲で密度の高いアルバムだ。20分弱な時間もあって、つい繰り返し聞いてしまう。1200円と安価なので強くお薦め。
各曲紹介。
1.Auld Lang Syne
これ、日本では「蛍の光」として知られるスコットランド民謡。アコーディオンの演奏で、はやく店を出なくては、と思わされる。
2.タータンステップ
「俺の住処はこの世界じゃないさ、この世はただの幻にすぎない」という歌詞をアップテンポに歌う皮肉に満ちた世界観。マンドリンの響きがトラッド色を持ち込んでいてとても印象的。
3.ツキのポルカ
マイムマイムを思わせるイントロから始まる、パンクロック。アコーディオンを大きくフィーチャーしている。このユニット、ギターがそれほど主役ではないところが特徴的。この曲、ソロパートがマリンバなのがとても格好いい。
4.ゴーストソング
激しい前曲から一転してかなりしっとりと聞かせる。アコーディオンの黄昏れた音色が秀逸だ。これは、Youtubeにアコースティックライブの映像がある。
ゴーストソング 「踊ろうマチルダ」LIVE映像
この味わい深い声を聴いて欲しい。ちなみに「踊ろうマチルダ」というのはヴォーカル釣部が新しく結成したグループ。
5.カーニバル
この曲もイントロとか、凄くどこかで聞いた感じがする懐かしいメロディ。でも、歌詞がやさぐれた皮肉と諷刺に満ちていて、なかなか面白い。
6.古き良きロマン
曲名の通り、古き良きロマンに別れを告げるという歌詞で、さらに曲調が「蛍の光」を思わせる。綺麗に締める。
Youtubeにあるもの以外の方がわたしは好きなのだけれど、他の曲に関しては以下で試聴してみて欲しい、特に2.3.5。
http://listen.jp/store/preview.aspx?pid=cla60020&fn=cla60020_1_01&tm=1218806806312
なお、以下のページではナンシー出演のWebラジオと未リリースの「Nancy Whiskey」というスコットランド民謡カバーのライブ演奏が聴ける。
http://www.voiceblog.jp/y2kfactory/93756.html
是非ともフルアルバムが聴きたかったけれど、ナンシーウィスキーは残念ながらこれを最後に解散してしまった。しかし、ヴォーカルの釣部修宏はいま新バンド「踊ろうマチルダ」を結成し、近々ミニアルバムをリリースする、とのことで、そちらに期待することにしたい。

- アーティスト: 踊ろうマチルダ
- 出版社/メーカー: high numbers records
- 発売日: 2008/10/01
- メディア: CD
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これとかアコギ、ウッドベース、マンドリンという編成でとても良い。これがミニアルバムに収録される曲かな。
下が踊ろうマチルダのマイスペース。いくつかのデモ音源と、上記の「Nancy Whiskey」の未発表スタジオ録音らしきものが聴ける。
MySpace.com - Odoro Matilda 踊ろうマチルダ - JP - Acoustic / Folk / Jazz - www.myspace.com/odoromatilda