MarillionのRacket Recordsで買い物

marillion.com | The Official Marillion Website
ファンには周知だけれど、イギリスのバンドマリリオンの公式サイトでは一般ショップには流通しないファン向けのアイテムが多数販売されている。特別限定版(CDに予約者の名前を記載するとか)やら、デモトラックとか、オフィシャルブート的なライブ音源だったりもするのだけれど、店頭流通版の本来のオリジナルヴァージョンというのがあったりすることも多く、どうしても欲しいものが多かった。ただ、英語ができないので海外ショップの通販というのはどうしても抵抗があって、いままで敬遠していたのだけれど、最近の異常なポンド安に駆られて注文してみた。

というか、2008年の頭ごろにマリリオンのファンサイトとかで、ポンドが200円を切ったら注文しようかな、とか言っていたのに、今では130円程度になっているのだから驚異的だ。ホント、大丈夫かよ経済と思わずにはいられない。

具体的な注文方法についてはここを参照。Paypalは不要。最終的な請求は日本語でできる。注文からほぼ10日で到着。二週間プラスマイナス一週間が目安、と書かれていたけれど、確かにその通り。
http://www.geocities.jp/marillion_comcom/trivia/mail_order
2chスレッドの魚拓

買ったアイテムは以下。
Marbles (2CD Racket Version) £10.43
Anorak in the UK Live (2CD Version) £10.43
Unplugged at the Walls £10.43
Marbles on the Road (2DVD Extended Edition) (NTSC) £12.17
Bootleg Butlins (NTSC) £7.82
これで計51.28ポンド、6ポンドちょいの送料込みで57.41ポンド。日本円にして七千円強。二枚組のアルバム三つに二枚組のDVDと一枚もののDVDあわせてこの値段。二枚組アルバムひとつほぼ1300円というのが安すぎる。これ、ポンドが200円台でも充分に安い。

以下ざっと感想。

Marbles

Marbles


marillion.com | Racket Records Store
MarblesはAmazon等の店頭では一枚ものしか売られていないけれど、二枚組が本来のヴァージョン。1CDでは2CDヴァージョンでの、
Genie
The Only Unforgivable Thing
Ocean Cloud
The Damage
がカットされている。しかし、どれも佳曲の上、18分の大作Ocean Cloudはサビのメロディが特に秀逸な名曲なので、これなしのMarblesというのは考えられない。GenieもThe Only Unforgivable Thingもマリリオンらしい良い曲。
アルバム全体を通して簡単に言うと、浮遊感から徐々に盛り上がっていく静かで透明感のあるドラマ性が印象的で、評判の通り、マリリオン史上でもトップクラスの名盤。これは間違いない。私にとっては、Afraid of Sunlight、This Strange EngineとMarblesでホガース期マリリオンのトップ3アルバムだ。(Braveは私にはピンとこないアルバムに入る)
以下、じつはアルバム全体からはやや浮いているシングル曲。

全英チャート20位に入ったという。ちなみにもう一つのシングルはトップ10に入った。

Anorak in the UK: Live

Anorak in the UK: Live


http://www.marillion.com/music/albums/anorak-live.htm
これはanoraknophobia発表後のツアーからのライブ盤。店頭版は1CDにまとめられたもので、オリジナルにはない名曲Easterが入っている。しかし、それを差し引いても、この2CD版が良いと思う。このライブ盤はとにかく演奏が熱い。ベースがバリバリとうなり、ギターも荒い音色で走る、とてもワイルドな音になっていて、ロックの荒々しさが十全に出ている。マリリオンにはMade Againというライブ盤もあるけれど、選曲を措けば、こちらの方がオススメ。

Unplugged at the Walls
http://www.marillion.com/music/racket/walls.htm
タイトル通り、アンプラグドライブ。落ち着いた雰囲気のアコースティック風ライブだけれど、リズム隊もいるので、そこまで静かではない。ホガースのヴォーカルが堪能出来るうえ、いくつかの曲で(Gazpacho、Hooks In Youが面白い)のアレンジが面白いのでライブ盤ばかりそんなにいらない、という人も変わり種として一聴の価値はあると思う。レディオヘッドのカバー、Fake Plastic Tree収録。

Marbles on the Road [DVD] [Import]

Marbles on the Road [DVD] [Import]


http://www.marillion.com/music/dvd/motr.htm
http://www.marillion.com/music/dvd/bootbut.htm
DVD、Marbles on the Roadは店頭でも販売しているけれど(そしてほぼ同一音源のCDも出ている)、二枚組のヴァージョンはラケットレコード限定で、二枚目には1CDのMarblesでカットされたOcean Cloudや定番曲のライブ映像が入っている。Amazonで一枚物のDVDを買うより遙かにこちらの方が得だ。

DVDはまだちゃんと見ていないので何とも言いかねるけれど、オンザロードはとても評判がよいし、Bootleg Butlinsは公式限定のライブアルバム「Smoke」と「Mirrors」の映像を一緒に収録したもので、二つのライブ盤を別々に買うよりは明らかに得だったので、ライブ盤代わりに聴ければいいだろう。

我ながらかなり良い買い物をしたと思うので、マリリオンに興味のある人は参考にどうぞ。

ラケットレコードでしか買えないもので欲しいものはだいたい買ったけれど、気になるものですでにCD生産が終了したものがいくつかある。そちらはmp3ダウンロード販売をしているものがあり、著作権管理の鬱陶しい形式でないのならそれを買ってみようかなと思っている。オススメがあれば教えてください。


さて、マリリオンのファンサービスはかなり充実していて、公式サイト限定アイテムの多さや、オフィシャルブートレグの販売、さらには毎年ファンを集めて数日間に渡って行われるマリリオンウィークエンドといったイベントなどなど、きわめてフレンドリーな雰囲気がある。それもそのはず、マリリオンはそれまで契約していたEMIとの契約を切られてから、インディーズでの活動を経て、さてどうするか、となったとき、ファンからまだ制作していないアルバムを買ってもらい、それを制作資金にするというアイデアを思いつき、それを実行に移した。
http://www.geocities.jp/marillion_comcom/article/report_003.html
これがanoraknophobiaだったわけだ。こうしたファンとの密接な交流がいまのマリリオンの基盤であり、安定した活動を支えているのだろう。豪華な限定版に予約者の名前を記入するといったサービスはそうしたマリリオンの姿を象徴している。限定版は結構高いので流石に私はそこまではしないけれど、羨ましいなとは思う。

また、ネットを利用したプロモーション戦略もかなり実験的なことを行っていて、去年の新作でもP2Pを利用した無料配布が行われた。これは本国等ではかなりのニュースになったらしいけれど、日本ではあまり大きく取り上げられた感じはない。
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新作についても、一曲を公開してそれにつけてくれる映像を募集コンペを開いたり、ツアー中のほとんどの公演をすぐさまダウンロード販売する企画を実行したり、ことネットの広告戦略については非常に面白いことをしているバンドだと思う。

是非とも、多くの人に聴かれて欲しいバンドです。