Magenta - Metamorphosis

Metamorphosis

Metamorphosis

イギリスのプログレバンドの2008年リリース作。ジャケットがどう見てもメタル風だけれどプログレです。キーボード兼ギター兼ベース兼リコーダーのロブ・リードとヴォーカルのクリスティーナを中心とするバンドのようで、あとギターのクリス・フライ以外はアルバムやライブごとにメンバーが変わっているようだ。

以前にライブ盤(「Another Time Another Place」)を聴いた時はほとんど印象に残らず*1、このバンドはスルーしていいバンドというカテゴリになっていたのだけれど、彼らのオフィシャルサイトで公開されているプロモ盤を聴いてみたところ、これが結構というかかなり良い感触だったのに驚いて、とりあえずAmazonで買えるアルバムの今作を聴いてみた。

20分を越える大曲二つと、小曲二つ、というプログレマニア仕様の構成になっていて身構えさせられるけれど、これは中だるみもなくむしろやや短さすら感じさせる秀逸な出来だ。音としてはイエス直系というか、イエスフォロワーのバンドとして知られているようで、ギターワークやベースなどなどにイエスの匂いが強烈に漂っている。私としてはこの出音だけで、結構な好感触になってしまう。

それだけではもちろんなくて、ころころ変わる曲展開や、メロディアスな旋律、イーリアンパイプスなどを取り入れたアレンジなどなど、聴き所は多い。特に、現代最高のプログレバンドと私が信じるアイオナのパイプ吹き、トロイ・ドノックリーによるパイプがとても印象に残る。

さらに、スティーブ・ハウ風のギターが面白い。ハウのギターは他にあまり類を見ることのできない唯一無二の個性(というか、あまりに個性的なので皆あまり真似しようと思わないのだろう)だと思うのだけれど、このクリス・フライは結構ハウらしさを取り入れた興味深いプレイだ。また、曲の要所要所では非常にエモーショナルなプレイも披露していて、特に表題曲のラストあたりのソロは出色だ。全体的にギターワークが結構良いと思う。

もう一つの特徴としては、女性ヴォーカリストを据え、ヴォーカル面の充実を図っているところだろう。プログレ系バンドの弱点の一つはヴォーカルにあると常々思っているのだけれど、このヴォーカルはかなり良い。結構メタル系にいそうなパワフルな感触もある声。

そういえばリンクを張ってなかったけれど、これがバンド公式サイトでフリーダウンロードできるMP3プロモ盤。シングルバージョンや抜粋版を寄せ集めて、ちょっとしたベスト盤として聴ける。とりあえず興味を持った人はこれから聴くと良いと思う。また、サイトのアルバム紹介ページでは「Metamorphosis 」、最初の大曲の12分バージョンがダウンロードできる。これも聴くと、五十分程のアルバムの内、二十分程を聴けてしまう。

このバンドは結構webの試聴に力を入れているようで、好印象だ。ネットにプロモ盤をそのまま公開してしまうというのはマリリオンもやっているけれど、これは非常に良いきっかけになるのでもっとやって欲しいと思う。

以下はアルバム表題曲の抜粋版。上記オフィシャルサイトで公開されたものをそのままYoutubeにアップしてあるもののよう。

下のはUKTOP40になったらしいシングルのPV。

以下もプロモ盤にある曲の映像。下の奴が良い。

*1:録音に迫力がないせいだろうか