これはまずいことになったか

http://www.asahi.com/national/update/0323/TKY201103230282.html

東京二十三区と多摩地域五市に水道水を供給しているらしい浄水場から基準値を超える放射性ヨウ素が検出されたという。このことで、都は乳児の飲用に用いないように呼びかけている。

この濃度のヨウ素が、どれだけリスクを高めるか、ということについては私はよくわからない。だいたいこういうものの基準はかなり厳格に設定されているはずで、ある程度超えたからといってすぐに危険だというものではないと思われる。厳格に設定されているからこそ、ある程度の濃度上昇があった時、すぐに何倍、何十倍、何百倍、という倍率が出てくることになる。

大人に対しては特に問題ないらしいけれど、問題は乳幼児の飲用には適さない、ということが都から告知されてしまったこと。これがどれだけリスクを高めるかはやはりわからないものの、告知がされたということはある程度のリスクはあるのだろう。

これを受けて早速対象地域では相当な水騒ぎが起こっているようだ。

乳児に関しては、この基準値というのは

1年間毎日、1リットルの水を飲み続けた場合
水道水の放射能汚染規制値 「1年間1リットル飲み続ける」が条件 : J-CASTニュース

のものだと厚労相水道課は答えている。

大人に関しては

この水を1日12リットルずつ50年間飲まないと「甲状腺がんの発生確率は極めて低い」になる。どう計算しても子供のいない人が水を買い占める根拠がでてこない。20歳超えたオジサンオバサンは子供に水を譲るべき。
ヨウ素水道水日記 - 西尾泰和のはてなダイアリー

というほどの量のようだ。しかし、このおじさんおばさんが、子供のため、あるいは知人の子供のために買っている可能性はあるだろう。水に列を作った人のなかには高齢者も多かった、という話を見たけれど、そういう人は孫などのために並んでいる可能性は高いと思う。

最近の物資買い占め騒ぎは空騒ぎだ、と前に書いたけれど、今回の件はヨウ素検出と都の告知という実体を持ってしまった。その上対象が重要なライフラインの水だ。元々非常に気を遣う乳幼児がいる家庭では、このことで計り知れない不安があるだろうと思う。同時に乳児がいないものの不安に煽られた多くの人も水確保に走っているんではないかと思われる。

ミネラルウォーター等、非水道水の入手はきわめて困難になるだろう。同時に、対象地域にむけて全国から大量の水が送られてくることになる。以前までの紙、米、水のラッシュを超える量がくるんじゃないだろうか。ちょっとこれは考えたくない事態になりそうだ。

ヨウ素の濃度はそのうち下がるのか、下がるとしたらいつか。ここら辺の情報が出てこない限り、事態収拾の見込みもつかない。


ついでに、ミネラルウォーターでミルクを溶かすのはよくないらしく、まさに泣きっ面に蜂の状態になっている。私はそもそもミネラルウォーターを買ったことがないし、余震と停電と納豆が買えないこと以外、特に気になることはないのだけれど、子供を持つ親にとっては心休まる暇もない状況だろう。

都市機能が結構大変なことになるんじゃなかろうか。東京の混乱で被災地のニュースが吹き飛んでる感がある。

東京都、24万本のペットボトル水配布へ : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
と書いていたら、素早い対処が。さすがに勧告した以上フォローはするか。しかし、これで落ち着くというものでもないと思うけれども。ある程度は混乱を収拾できるだろうか。