向井豊昭アーカイブ開設

北海道、アイヌのモチーフによって「ヤマト」を攪乱し続けた「マイナー文学」にして反骨のアナーキスト作家向井豊昭。62歳という高齢でデビューし、作家活動期間はわずか13年、出た単行本はわずかに三冊、多くが絶版。無数の雑誌掲載作と未発表作品が眠っている向井豊昭を少しでも多くの人に触れられるようにするべく、向井豊昭作品の公開を目的とした向井豊昭アーカイブスを開設します。

向井豊昭アーカイブ
『幻視社第五号』などでも告知していましたとおり、故向井豊昭の遺稿などを公開する「向井豊昭アーカイブ」を開設しました。

いまのところ、『幻視社第四号』に掲載した「特別企画 追悼 向井豊昭 1933〜2008」をまるごと公開しています。向井さんの未発表作品三篇と、私の向井作品ガイド、岡和田晃さんの向井論、岡和田さんに宛てられた向井さんのメールなどが現在読めます。

第四号はもうすでに在庫等が手元にないので、こちらを参照してください。

現在はこれだけですけれど、そのうち児童文学長篇「UFO小学校」等を追加していく予定です。ただ、第五号はまだ発刊したばかりなので、ある程度時間を開けるつもりです。

まあ気長に充実させて行ければいいなあと思っています。

サイト管理者は私ですけれど、向井作品公開に至る、遺稿保管や遺族の方との交渉といった対外業務はすべて岡和田晃さんの尽力によるものです。感謝、感謝。

怪道をゆく

怪道をゆく

追記

その岡和田晃さんが『幻視社第四号』に寄せた論考が公開されています。
「世界劇場」から外れた演技者ジュヌヴィエーヴ――ジャック・ヨーヴィル『ドラッケンフェルズ』と「流血劇」についての試論(付記:「向井豊昭アーカイブ」のご紹介): Analog Game Studies
この号は「みえないもの」というテーマで特集されていて、一応向井特集もそのテーマに沿ったものとして編成されたものでした。上記の論考もその一環として書かれたものです。