1/26日発売の『アイヌ民族否定論に抗する』に寄稿しました

アイヌ民族否定論に抗する

アイヌ民族否定論に抗する

岡和田晃、マーク・ウィンチェスター編のアンソロジーアイヌ民族否定論に抗する』(河出書房新社)に、「再演される戦前 アイヌ「民族」否定論について」という二十枚ほどの原稿を寄せました。

金子議員のツイッター発言から大きく注目された「アイヌ否定論」へのカウンターを企図した本で、拙稿は発言の大元と思われる小林よしのり的場光昭の否定論を大掴みに批判するものとなっています。

民族の定義については私もまだまだかじったばかりで、他に専門家の方も書くのなら、私が一体なにを書けようか、とも思ったのですけれど、まあ小林、的場の文章を読むとこれおかしいだろう、というような部分がぼこすか出てきて、悪質さと雑さに怒りを覚えながらもなんとか彼らのおかしな部分を指摘できたかな、と思います。

なかでも、id:Mukkeこと露井有悟さんの的場批判への的場自身による反論を取り扱った182頁の議論、および註の13での、的場の目を疑うような「論理」性が見どころで、是非御覧になって頂きたいと思います。ところで的場光昭は、実名と経歴を明らかにしない者には反論しない、と豪語していたと記憶しているのですけれど、いつ露井有悟さんの履歴を取得したのでしょうか?

詳細は岡和田さんによる告知を参照してもらうとして、
共編著『アイヌ民族否定論に抗する』が発売されます。 - Flying to Wake Island 岡和田晃公式サイト
出来上がった目次を見てみると、『北の想像力』でもガイドを書いた上村英明さんやテッサ・モーリス=スズキさんなど、え、こんな人もいるのか、というような錚々たる執筆陣で混ざっているのが申訳ないようなことになっています。

十年前、和光大学時代に授業を取ったり、古井由吉さんの朗読会に連れて行ってもらった寮美千子さんと一緒の本に書くことになるというなんとも不思議な巡り合わせとなりました。村井紀さん、丹菊逸治さんも和光大学関係者ですから、けっこう和光勢が多い本ですねこれは。『北の想像力』や幻視社でも一緒になった倉数茂さんもいらっしゃいます。

当初200頁予定だったのが膨れあがって約330頁となり、しかし値段は当初と変わらず、というかなりのチャレンジをしている本となっています。著者分として今日届いたばかりなので中身を読めてませんけれども、来週発売ですのでよろしくお願いします。

追記
あと、下北沢の書店、B&Bで、編者の二人によるイベントがあるようです。
岡和田晃×マーク・ウィンチェスター 「私たちはなぜこの本を編んだか」 『アイヌ民族否定論に抗する』(河出書房新社)刊行記念 | 本屋 B&B
私も行くつもりです。