『アイヌ民族否定論に抗する』の東條「再演される戦前」についてのお詫びと訂正

アイヌ民族否定論に抗する

アイヌ民族否定論に抗する

表題の拙稿において事実誤認の箇所がありました。
書籍177P、原稿の冒頭部分です。

広まりつつあるアイヌ否定論において影響力があるのは、小林が責任編集長を務める雑誌「わしズム」での特集「日本国民としてのアイヌ」(vol28、二〇〇八年十一月、小学館)だろう。そして、その号に寄稿してもいる的場光昭が、後に単著『「アイヌ先住民族」その真実』(展転社、二〇〇九)として否定論をまとめたことで、さらなる広まりを見せた。

この記述については、的場光昭氏は「わしズム」の当該号には寄稿していません。的場氏の同時期の発言は主に「北の発言」や「正論」においてなされています。そのため、上掲部分の二文目については、以下のように訂正します。

そして、同時期に「北の発言」や「正論」で書いていた的場光昭が、後に単著『「アイヌ先住民族」その真実』(展転社、二〇〇九)として否定論をまとめたことで、さらなる広まりを見せた。

謹んでお詫びします。 東條慎生


なお、もう一点、拙稿を読んだだけではわかりづらいかと思われる箇所がありました。182Pの二段落目、一文目のあとに、以下の文章を想定してお読み下さい。

つまり、このお若い研究者は民族の客観的定義には現代の学問的潮流などないと自分でいいながら、私の定義を「現代の学問的潮流」を持ち出して学問的に批判するという、つまり学問的潮流がないにもかかわらず私の意見を学問的でないと批判するという混乱状態に陥っているのです。
的場光昭『改訂増補版 アイヌ先住民族、その不都合な真実20』展転社137Pより)