第36回日本SF大賞エントリー一覧
リンク先にあるように、「放課後のプレアデス」を第三十六回SF大賞に推薦しました。
見た時にはすでにいくつかプレアデス推薦文が載っていて、私の評価とも似たものもあり、もういいかな、とも思いました。けれどもツイッターで地味に期待されていたのと、昨年候補『北の想像力』共著者ってことで微妙にSFに足を突っ込んでいるプレアデスおじさんとして、ブログで強く推していたこととあわせて、ここでも推しておく必要はあるかと思い、推薦してみました。
10月中に応募はしていたのですけれど、全エントリー公開時点でも載っておらず、不思議に思って問い合わせても反応がなかったので、別アドレスから問い合わせてみたらメールが不達だったようで、事務局の方にお手間を取らせての最後に追加というかたちでの掲載となりました。事務局さまにはお手数掛けました。
SF小説は今年はほとんど読めていないので、アニメだけ推薦するという。
以下、推薦文。
アニメ『放課後のプレアデス』
宇宙船修理のための物探しをプレアデス星人に頼まれた五人の少女が魔法使いになって奔走するという可愛らしい物語ながら、その背景には平行宇宙設定や国立天文台の協力に与った科学考証がある。それらを物語的には「魔法」で済ませる語り口の巧さが際立っており、子供の小さな悩みを宇宙スケールで描く第四話などの詩情も卓抜。科学と詩の先達宮澤賢治を踏まえた繊細で緻密な脚本、音楽とリンクした場面演出、最新データで描かれた土星の輪ほか宇宙を描く背景美術など、映像作品としての完成度も高い。物語は空や星を夢みる権利を肯定し、宇宙の旅の果てに人と人のなかにある「私」を見つめ直して、日々の小さな一歩へと着地する。敵役はいても悪のいない優しさと、かといって甘くはない峻厳さもある、真摯な倫理性は貴重だ。児童書版や菅浩江による別視点の小説版など、子供向けにもSF的にも広がる懐の深さをもつ、ジュヴナイルSFファンタジーの傑作。
400字にいろいろ詰め込むのに3日かかった。もっと別の書き方もあったんじゃないかと思わないでもない。

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