2015年読んでた本

今年はいろいろ別の用事とか、後半は仕事でここに書くことがかなりない。冬に読んでいた本の記事で大まかに書いたけど、全体で20ほど挙げるとなるとこうなる。既に記事を書いたものについては過去記事参照。

細雪 (上) (新潮文庫)

細雪 (上) (新潮文庫)

2015年冬に読んでいた本 - Close to the Wallこちらで紹介した新年本。『四人制姉妹百合物帳』元ネタとして読んだけれど、さすが。
羆嵐 (新潮文庫)

羆嵐 (新潮文庫)

これも上リンクで紹介した。吉村の北海道もの、傑作。
ぼくらが女性を愛する理由 (東欧の想像力)

ぼくらが女性を愛する理由 (東欧の想像力)

ミルチャ・カルタレスク - ぼくらが女性を愛する理由 - Close to the Wallで紹介した。ルーマニアの愛をめぐる短篇集。フラバルコレクションの新刊は未だ読めていない。笙野さんに頂いたアンソロジー笙野頼子以外にも、多和田葉子後藤明生安岡章太郎古山高麗雄等々。
倒立する塔の殺人 (PHP文芸文庫)

倒立する塔の殺人 (PHP文芸文庫)

百合ものという話を見てヤングアダルト向けと言うことで軽く読めるかと思ったら戦前戦後の女学校を舞台にしたミステリでものすごくシリアスな作品だった。出来はさすが。解説で『白痴』が重要アイテムだって書いてあるけど、『カラマーゾフの兄弟』と取り違えてるんじゃない? 詳しくは忘れたけど読了直後に解説見て間違ってるぞと思ったことを覚えてる。

渚にて【新版】 人類最後の日 (創元SF文庫)

渚にて【新版】 人類最後の日 (創元SF文庫)

放課後のプレアデス みなとの星宙

放課後のプレアデス みなとの星宙

天体による永遠――『放課後のプレアデス』について - Close to the Wallこの記事で参照した本。革命家の宇宙論、ポストアポカリプスSFの傑作。菅さんのものについては以下の記事参照。菅浩江 - 放課後のプレアデス みなとの星宙 - Close to the Wall菅さんは『永遠の森』も『誰に見しょとて』も読んだけれど、これを。
アウトローの世界史 (NHKブックス)

アウトローの世界史 (NHKブックス)

文学フリマの「絶対移動中」さんのところに寄稿した義賊についての文章の元ネタ。すごい面白い。ホブズボームの『匪賊の社会史』や千葉治男『義賊マンドラン』もいい。

オービタル・クラウド

オービタル・クラウド

My Humanity (ハヤカワ文庫JA)

My Humanity (ハヤカワ文庫JA)

SF大賞の二つ。長谷さんは『円環少女』を積みっぱなしなので読まないとなと思ってるんだけれども。

芸術と実生活 (岩波現代文庫)

芸術と実生活 (岩波現代文庫)

何で今これなんだって気はするけど結構面白くて、ちゃんと自然主義文学の代表作を他に読んでみる気になったところで止まっている。

アイヌ学入門 (講談社現代新書)

アイヌ学入門 (講談社現代新書)

アイヌ入門本。否定論のはびこる状況に抗して。私も参加したのでこのセレクトからは省いているけれど、『アイヌ民族否定論に抗する』もよろしく。
百年前の日本語――書きことばが揺れた時代 (岩波新書)

百年前の日本語――書きことばが揺れた時代 (岩波新書)

日本語が今の日本語になるまでのゆらぎを見る本。この人の本は他にも面白そう。だけど今年とか本出し過ぎてないかこの人。

皇国少年の記憶や、済州島事件での武装蜂起から、猪飼野に来るまでの自伝的回想なんだけれど、死線をくぐり、いろんな人の死を見てきた経験が語られるすごい本。

由煕 ナビ・タリョン (講談社文芸文庫)

由煕 ナビ・タリョン (講談社文芸文庫)

これも朝鮮と日本のあいだに生きる作家の作品で、この異者としての感覚からくる過酷さ。傑作。

いろいろあって打ち切りかと思われた作品再開は喜ばしい。完結まで持って行けるか。同人版『菊と力』が未だ読めてない。『明日の狩りの詞の』はなんだか、普通に面白いけど、普通すぎないかって思ってどこか物足りなくもあった。平家さんの長篇化はまことに喜ばしい。Kindle版出てるけど紙版注文したので来年読む。
1968年 (ちくま新書)

1968年 (ちくま新書)

革命的な、の方は読んでないけれど、これも充分面白い。

もう一つの記事に時間かかりすぎたのと個々に挙げられる本がそんなにないので薄くなっちゃったかな。