本日発売の図書新聞2019.6.15日号に「故郷喪失から意味の解体へ」という後藤明生『笑いの方法』刊行を期した、私東條慎生と陣野俊史さんによる対談が掲載されています。同じくつかだま書房刊の『引揚小説三部作』をも題材に、引揚げ、方言、歌などについて触れています。 pic.twitter.com/9Oz5qs3IZC
— 東條慎生のReal genuine fakes (@inthewall81) 2019年6月7日

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戦争文学論集『戦争へ、文学へ』でも引揚げ体験を持つ三木卓について書いていたり、小説『泥海』などではフランスの移民を題材としている陣野さんなので、『笑いの方法』に書かれた引揚げ体験から話は引揚げ、方言などの土着性にとどまらず、小説に現われる音、歌など、そして言葉について話題になっています。

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対談では話題に出ませんでしたけれども、陣野さんの『テロルの伝説 桐山襲烈伝』は、天皇小説として知られる『パルチザン伝説』の桐山を論じたもので、一人の作家を総体として論じた仕事として非常に面白い本でした。天皇制と沖縄を大きなテーマとした桐山の小説という抵抗の戦いは、戦後のポストコロニアルな問題として後藤とも対比的に読めるかと思います。

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