Kila & OKI - Kila & OKI

Kila & Oki

Kila & Oki

以前にも紹介したことがある、アイリッシュトラッドを現代的なサウンドで演奏するキーラと、日本のトンコリ奏者オキとのコラボレートが本作。2006年リリース。

キーラは何枚か聴いているけれど、オキの方はまったく知らなかった。ここでの音は、いつものキーラのようなロック寄りのものではなく、トンコリに合わせたのかアコースティック要素が強く、ロック的なノリを求めて聴くには適当ではない。

アイヌの五弦琴、トンコリは案外和風に聞こえる部分もあって、独特は独特だけれど、なんだかなじみがあるような感じもある。そこへアイリッシュトラッドのキーラの演奏が加わって、非常に独特のものになる。なんとも表現しづらいが、トンコリの音はなかなか面白い。

曲としては、トンコリのイントロに続いて、オキのアイヌ語によるヴォーカルが聴ける一曲目のインパクトは絶大。どこか呪文のようにも聞こえる歌がやけに格好いい。また、オキがアイヌ語で歌うものとキーラの面々がゲール語で歌うものとがあり、楽器も歌もアイヌアイリッシュが混在している。

トンコリの響きを生かして、静かな曲調のものが多く、3、5曲目などはトンコリゲール語のヴォーカルが載ったりして、非常に面白い趣向の曲となっている。

4曲目のように、キーラらしいフルートなどによるスピーディなリフレインを含む曲もあるにはあるが、今作はやはりトンコリの一音一音を確かめるように聴くべしということだろう。

トンコリの独特の音色とアイリッシュトラッドの融合というきわめて興味深い音になっていて、トラッド好きなら一聴の価値はある。というか、なんか変な音が聞きたいという人にもお勧めかも。


オキはアイヌ音楽をダブリミックスしたりしたアルバムが知られているようだけれど、どんなもんなんだろうか。


で、なんと、いつのまにかキーラが新作を発表したらしく、日本盤がすでに発売になっている。というか、今日リリースだ。これは楽しみ。

ギャンブラーズ・バレエ

ギャンブラーズ・バレエ


ところで、オキを調べてたら思い出したんだけど、おれ、確か故安東ウメ子さんに会ったというか、見たことあるような覚えが。アイヌ楽器のムックリも持ってる(右上の画像)し、少しなら音は出せる。