告知記事一覧

単著『後藤明生の夢 朝鮮引揚者の〈方法〉』刊行 2022年9月末 幻戯書房より『後藤明生の夢 朝鮮引揚者の〈方法〉』が刊行されます - Close To The Wall 新着順2023.12.31岡和田晃編『上林俊樹詩文集 聖なる不在・昏い夢と少女』の制作に協力 上林俊樹詩文集…

武井杉作監督 映画『与那国』について

埼玉県川口市の映画館&バーの第8電影で五月三十一日、六月二日、三日に上映された武井杉作監督の映画『与那国』(2008年作)を見てきました。武井さんは私の和光大学時代同じ創作講座の授業を受けており(講師は寮美千子さん)、そこで知り合ったメンツで作…

岡和田晃編、山野浩一著『レヴォリューション+1』

レヴォリューション+1作者:山野浩一小鳥遊書房Amazon岡和田晃編、山野浩一著『レヴォリューション+1』、ゲリラたちによる闘争が永遠に続く不可思議な都市フリーランドを舞台にする、稀覯書として知られていた連作集に、フリーランドが出てくる外伝的な一篇「…

後藤明生を読む会編『後藤明生を読む』

後藤明生を読む作者:後藤明生を読む会学術研究出版Amazon後藤明生の教え子で後藤研究の第一人者というべき乾口達司さんらによって関西で2009年から行なわれてきた読書会の15年越しの成果となる一冊。論考、討議、ノート、エッセイ、創作のほか、後藤の弟さん…

小島信夫『私の作家評伝』と花袋、秋声、藤村、浩二、鏡花

小島信夫の『私の作家評伝』が再度文庫化した。潮文庫版を十数年積んでいる内に新版が出てしまった。これを機に扱われている作家のうちいくつか積んでる本を読んでから読もうと思った、ので、ざっと。 田山花袋『田舎教師』 島崎藤村『春』 徳田秋声『あらく…

最近読んでた本2024.03

H・G・ウェルズ『盗まれた細菌・初めての飛行機』 いのり。『勇者になりたい少女と、勇者になるべき彼女』 神沼三平太、若本衣織、蛙坂須美『怪談番外地 蠱毒の坩堝』 中村光夫編『吉田健一随筆集』 河﨑秋子『颶風の王』 河﨑秋子『鯨の岬』 ジョン・スラデ…

友田とん『先人は遅れてくる パリのガイドブックで東京の町を闊歩する3』

先人は遅れてくる: パリのガイドブックで東京の町を闊歩する;3作者:友田 とん代わりに読む人Amazonシリーズ三年ぶりの第三弾。ナンセンスな言葉を実践する、どこが目的かも分からないような歩き・書くという行為が迂回や脱線、方向転換の先に著者自身の人生…

岡和田晃編『上林俊樹詩文集 聖なる不在・昏い夢と少女』

上林俊樹詩文集 「聖なる不在・昏い夢と少女」作者:上林俊樹SF ユースティティアAmazon上林俊樹詩文集『聖なる不在・昏い夢と少女』を刊行します | SFユースティティア他所で告知はしたけれどここでは記事にしてなかったので。上掲本の版面づくりというか…

ジュール・ヴェルヌ『シャーンドル・マーチャーシュ』

シャーンドル・マーチャーシュ: 地中海の冒険 (上) (ルリユール叢書)作者:ジュール・ヴェルヌ幻戯書房Amazonシャーンドル・マーチャーシュ: 地中海の冒険 (下) (ルリユール叢書)作者:ジュール・ヴェルヌ幻戯書房Amazon去年五月の文学フリマで幻戯書房の社長…

2023年に見ていたアニメ

毎年のやつだけど、2022年の記事の文字数が9万5000字を超えてしまい、書く方も大変だけど読む方も厳しいだろうしさすがに反省したので今年は各項目をできるだけ短くするよう心掛けた。去年は一作5000字とか4000字とかあったけど今年は一作1000字台で収めてお…

2023年に読んだ本と今年の仕事

今年読んだ本の10選とかそういうの。 ミハイル・ブルガーコフ『巨匠とマルガリータ』郁朋社 山野浩一『花と機械とゲシタルト』小鳥遊書房 石川博品『冬にそむく』ガガガ文庫 黒川創『世界を文学でどう描けるか』図書出版みぎわ 八杉将司『LOG-WORLD ログワー…

追悼読書

今年亡くなった作家の作品の積んでいた本を読んだ。 グレッグ・ベア『凍月』と「鏖戦」 大江健三郎『ピンチランナー調書』 ミラン・クンデラ『冗談』 立岩真也『介助の仕事』 佐藤哲也『シンドローム』 酒見賢一『墨攻』 グレッグ・ベア『凍月』と「鏖戦」 …

百合SFとラノベ四冊

宮澤伊織『裏世界ピクニック8』 宮澤伊織『そいねドリーマー』 みかみてれん『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?) 4』 みかみてれん『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?) 5』 宮澤伊織『…

ボフミル・フラバル『十一月の嵐』

十一月の嵐 (フラバル・コレクション)作者:ボフミル・フラバル松籟社Amazon久々のフラバル・コレクションの新刊。アメリカのチェコ文学研究者への書簡体形式で、1989年の東欧革命の政治的動乱のさなか過去の弾圧の歴史を回想しつつ、権力との妥協を選んだ作…

高原英理『祝福』

祝福作者:高原 英理河出書房新社Amazon「文學界」「群像」や編著に発表された諸作を怪奇幻想誌「ナイトランドクォータリー」での連作「精霊語彙集」として引き継いで書かれた作品集。オルタナティヴなこの世の外への志向を、「呪なのか祝なのかもわからない…

最近読んでた本2023.11

高田公太『絶怪』 蛙坂須美『怪談六道 ねむり地獄』 加藤一編著『妖怪談 現代実話異録』 鈴木悦夫『幸せな家族 そしてその頃はやった唄』 花田清輝『箱の話・ここだけの話』 R・D・レイン『好き? 好き? 大好き?』 小山田浩子『工場』 高田公太『絶怪』 絶…

最近読んでたもの

原民喜『夏の花』 「文學界」2023年5月号の特集「12人の“幻想”短篇競作」 伊野隆之『ザイオン・イン・ジ・オクトモーフ』 小野寺拓也、田野大輔『検証ナチスは「良いこと」もしたのか?』 ソマイア・ラミシュ編『NO JAIL CAN CONFINE YOUR POEM 詩の檻はない…

『代わりに読む人1 創刊号』、「文學界」2023年9月号、『ふたりのアフタースクール』

『代わりに読む人1 創刊号』 「文學界」2023年9月号 特集「エッセイが読みたい」 「文學界」2023年9月号 仙田学「その子はたち」 太田靖久、友田とん『ふたりのアフタースクール』 『代わりに読む人1 創刊号』 代わりに読む人1 創刊号: 特集:矛盾作者:友田 …

江馬修『羊の怒る時』、石井正己編『関東大震災 文豪たちの証言』

江馬修『羊の怒る時』 羊の怒る時 ――関東大震災の三日間 (ちくま文庫 え-21-1)作者:江馬 修筑摩書房Amazon 「もとより今度の震災は歴史上稀なるものであるに違いない」と自分は言った。「然しそれはそうであるにしても、それは不可抗な自然力の作用によって…

中央公論新社編『対談 日本の文学』全三巻

『対談 日本の文学 素顔の文豪たち』 『対談 日本の文学 わが文学の道程』 『対談 日本の文学 作家の肖像』 『対談 日本の文学 素顔の文豪たち』 対談 日本の文学-素顔の文豪たち (中公文庫 ち 8-16)中央公論新社Amazon1960年代後半に刊行された中央公論社の…

市川沙央『ハンチバック』

文學界(2023年5月号)(第128回 文學界新人賞決定発表)文藝春秋Amazon文學界新人賞と芥川賞受賞作。難病により背骨が曲がっており人工呼吸器を使って生きる主人公が、中絶という「障害者殺し」が日常化したなかにあって、それなら「殺すために妊娠する障害…

きのこ、腿太郎、ライト文芸、文庫ノンフィクションなど

高原英理『日々のきのこ』 深堀骨『腿太郎伝説(人呼んで、腿伝)』 支倉凍砂『瀬戸内海の見える一軒家 庭と神様、しっぽ付き』 杉井光『世界でいちばん透きとおった物語』 柳瀬博一『国道16号線 「日本」を創った道』 原武史『「線」の思考 鉄道と宗教と天…

室井光広『おどるでく 猫又伝奇集』

おどるでく-猫又伝奇集 (中公文庫 む 33-1)作者:室井 光広中央公論新社Amazon初期小説集二冊に未収録短篇やインタビューなどを増補した著者初の文庫本。著者の故郷南会津を「猫又」と呼ぶ一連の作品は「猫又拾遺」の土俗的奇譚・幻想譚から始まり、方言、外…

八杉将司『LOG-WORLD ログワールド』

LOG-WORLD作者:八杉将司SF ユースティティアAmazon月の磁場から発見された地球外生命の残した知識を用いた技術革新によって発展した近未来、さらに月には人類の記憶ログが埋め込まれていることがわかり、そのログにアクセスして調査する仕事に関わることに…

「リベラシオン」190号に鶴田知也についての記事を寄稿

「リベラシオン 人権研究ふくおか」190号(2023年夏)に「鶴田知也再考――『リベラシオン』第一八九号を読む」を寄稿しました。表題通り前号での鶴田知也特集に寄せられた論考にコメントをしつつ、私の鶴田知也論と後藤明生論についての概要を紹介した記事で…

トーマス・ベルンハルト『息 一つの決断』

息: 一つの決断作者:トーマス・ベルンハルト松籟社Amazonオーストリアの作家ベルンハルトの自伝的五部作の三作目、邦訳としては四作目になる。語り手が死の淵を彷徨う肺の病によって終末期患者の病室で死を間近にして過ごしている時、敬愛する祖父の死を知る…

文学フリマ東京36のメモ

2023年5月21日、文学フリマ東京に行ってきた。行く途中の電車で和装の男性を複数見かけて、これは文学だろう、文学に違いない、と思っていたら浜松町でモノレールに乗り換えていたのでやはり文学だった。 文学が来た かなり長い行列アーリーバード・ブックス…

小島信夫『小説作法』

小説作法 (中公文庫 こ 62-1)作者:小島 信夫中央公論新社Amazon小島信夫の既刊収録のエッセイと、単著未収録多数の講演で半々という編集の小説論アンソロジー。「訥々としているが、頗る能弁」という通りの小島の語り口は独特のものがあり容易にまとめられな…

国書刊行会の記念冊子と『火蛾』と『じゃむパンの日』

最近のもろもろ。 『私が選ぶ国書刊行会の3冊』 『国書刊行会50年の歩み』 古泉迦十『火蛾』 赤染晶子『じゃむパンの日』 『私が選ぶ国書刊行会の3冊』 国書刊行会創業50周年フェア情報 | 国書刊行会創業50周年 五〇人近い関係者の表題アンケートの回答を載…

石川博品『冬にそむく』

冬にそむく (ガガガ文庫)作者:石川博品小学館Amazon『ボクは再生数、ボクは死』以来、石川博品ほぼ三年ぶりの新刊。異常気象で年中雪が降る「冬」が訪れた世界の三浦半島のある町を舞台に、冬の冷たさと雪に閉ざされた閉塞感のなかで、それでも高校生の恋人…