本
「手に負えない」を編みなおす作者:友田 とん柏書房Amazon地下鉄の仮設の漏水対策に何故か興味を惹かれ日々その観察をしていたその記録から出発して、「手に負えないもの」として著者に見いだされた日々手当されて維持されるインフラというものへの関心が、…
『アフリカン・ヴードゥー・ジュージュツ』 『魂たち』 『アフリカン・ヴードゥー・ジュージュツ』 アフリカン・ヴードゥー・ジュージュツ作者:石川 博品KADOKAWAAmazon二年ぶりの新刊。本書はこれまでの石川作品で一番ソリッドでタイトな小説かも知れない。…
2025年のノーベル文学賞はハンガリーの作家、クラスナホルカイ・ラースローに授与された。ずいぶん昔に読んだことがあるけれども内容は全然覚えてないなあと思っていたら、2012年に出した同人誌「幻視社第六号」に松籟社の叢書〈東欧の想像力〉の関係作品と…
ここ数年毎夏原爆文学を読んでいたけど、今年はちょうどお送り頂いたものやちょうど目についたものを含めて戦争文学月間って感じで何冊か読んでいた。私には珍しく詩とか童話とかいくらかバリエーションがある。 峠三吉『原爆詩集』 原民喜『夏の花・心願の…
新潮文庫版の新訳が始まったので未読だったこれを月一くらいで読んでいこうかと思って読んだもの。キリスト教の考え方が埋め込まれているとも言われていて、まあそれは節々に感じるけれど一応子供向けなのでするっと読める作品。ただ最終作はなかなかすごく…
最初にあげた本いつ読んだんだろうってくらい前な気がする。『猟奇歌』は四月か。 夢野久作『猟奇歌』 仙田学『ジンジャ野みまもりさん』 千早耿一郎『悪文の構造』 安部公房、大江健三郎、三島由紀夫『文学者とは何か』 宮崎智之・山本莉会『文豪と犬と猫』…
『田中小実昌哲学小説集成』を読むためというのも兼ねて、代表作をざっと読んでいた。『ポロポロ』は以前の記事で書いた。 『アメン父』 『ミミのこと 他二篇』 『香具師の旅』 大庭萱朗編『田中小実昌ベスト・エッセイ』 『アメン父』 アメン父 (講談社文芸…
ボリス・ダヴィドヴィチのための墓: 一つの共有の歴史をめぐる七つの章作者:ダニロ・キシュ松籟社Amazon悪党やならず者を描いたボルヘス『汚辱の世界史』のオマージュかつアンチテーゼとして、ソ連の粛清などによって公的な歴史から消された者たちを描く短篇…
寒さ: 一つの隔離作者:トーマス・ベルンハルト松籟社Amazon自伝五部作の四作目で最後の邦訳書となる。肺病を疑われ結核療養所に入れられた語り手が、医療ミスでの要らぬ苦痛や元々感染していなかったのに療養所にいるせいで結核の感染に見舞われるという悲惨…
ソマイア・ラミシュ詩集 私の血管を貫きめぐる、地政学という狂気: madness of geography in my veins (MyISBN - デザインエッグ社)作者:Somaia Ramishデザインエッグ社Amazonアフガニスタンから亡命した詩人の詩と村上春樹『海辺のカフカ』の書評、イベント…
寮美千子さまからセント・ギガ詩集を恵贈頂いたのを機に、まだ読めていなかった寮さんの編著書を続けて読んだのでその感想を。寮さんは奈良に移住する前、私が学生だった頃に和光大学で物語創作の授業を受け持っていて、私は受講者だった。その縁で文壇バー…
アニメ版がやっているところだけれど二期が始まる前に春期から読み返して冬期まで読み終えた。秋期までは10年前くらいに読んでいたけれどさすがにそのまま最終巻だけを読むのもアレなので改めて一巻から読み返したけどやっぱりそうして良かった。読み終えた…
SF乱学講座「山野浩一において「世界文学としてのSF」とはなにか」(前田龍之祐) 『やなせたかし詩集 てのひらを太陽に』 オルタナ旧市街『Lost and Found』 小山田浩子『パイプの中のかえる』 小山田浩子『かえるはかえる パイプの中のかえる2』 小山田浩…
向井豊昭がなぜ下北にこだわるかの理由を小説を初めて書いた下北の分校をそのルーツと指摘しながら方言の使用、祖母について、詩人の祖父について、そして詩人としての向井についてなどから論じ、向井の文学の根底を探る一冊。向井豊昭はアイヌや北海道につ…
積んで数年読んで数週、ようやく読み終えた……。 『三体』 三体作者:劉 慈欣早川書房Amazon世界的に話題となった現代中国SFの三部作、第一部。文化大革命で父を惨殺された葉文潔と、ナノマテリアルの研究者汪淼の網膜に映る謎のカウントダウン、そして太陽が…
今年読んだ本の10選とかそういうの。各書名から当該書籍の感想記事にリンクしているので詳しくはそちらを。 ジュール・ヴェルヌ『シャーンドル・マーチャーシュ』幻戯書房 友田とん『先人は遅れてくる パリのガイドブックで東京の町を闊歩する3』代わりに読…
昨年から文庫化が始まっていたシリーズを今年は月一で読んでいくか、と決めて一月から読んでいた。文庫版だけど表紙の紙が特別仕様で高級感があり、一冊あたりも300ページいかないくらいの手頃な厚さで良い。底本が書かれてるのは良いんだけど、各エッセイに…
最近の読んだ本。恵贈頂いたものやフォロワーが関わった本だったりするものをまとめて。 藤元登四郎『祇園「よし屋」の女医者 母子笛』 『現代詩文庫 村田正夫詩集』 岡和田晃『世界の起源の泉』 オルタナ旧市街『お口に合いませんでした』 宮崎智之『平熱の…
ピクニックはラノベか?とは思うもののまあここに入れるのがちょうど良かったのでまとめた。 宮澤伊織『裏世界ピクニック9』 零余子『夏目漱石ファンタジア』1~2 伏見つかさ『私の初恋は恥ずかしすぎて誰にも言えない』1~3 不破有紀『はじめてのゾンビ生活…
年初に読んでた本を今更記事にしてあげることになった。本当は他に三冊ほど積んでる~問題やQ&A本なども含めて一つの記事にしようと思ってストックしていたけれど年内には読む時間がなさそうなので、この三冊と特集記事についての感想で公開することにした。…
SF評論入門小鳥遊書房Amazon十二のSF評論と巽孝之による序説や各部の前書き、荒巻義雄による終章とで構成されたSF評論集。目次を見れば分かるけれどもSF評論入門とはいってもさまざまに書かれたSF評論の実作を集めたもので、SF評論を書くための入門書、では…
今年四月から六月にかけて「変人のサラダボウル」というアニメがやっていた。岐阜県を舞台にした作品で、異世界で起こった内乱から逃れてきた皇女が現代日本に転移してきて貧乏探偵をしていた主人公と出会い、共同生活を送りながらの日常を描いたラノベ原作…
坂口安吾『安吾探偵事件帖』 坂口安吾『不連続殺人事件 附・安吾探偵とそのライヴァルたち』 大田洋子『屍の街』 清水克行『室町は今日もハードボイルド』 仙田学「また次の夜に」(「文學界」2024.10月号) 川勝徳重『痩我慢の説』 ミハル・アイヴァス『も…
SF関係者に改めて拡散希望。イスカーチェリでルーマニアSFやフランスSFの翻訳で活躍され、『SFが読みたい!2020年版』で海外部門7位を獲得したササルマン『方形の円』の翻訳をされた住谷春也さんが2024年6月に亡くなられました。享年93歳。心よりご冥福をお…
最近読んだ紀行文のようなものを集めたら全部女性の書き手のものになってしまった。 有吉佐和子『女二人のニューギニア』 林美脉子『悠久の古代紀行 砂に呼ばれて』 オルタナ旧市街『踊る幽霊』 オルタナ旧市街+小山田浩子『踊る幽霊』『小さい午餐』W刊行…
ダーヒンニェニ・ゲンダーヌ、田中了『ゲンダーヌ ある北方少数民族のドラマ』 髙島屋史料館TOKYO編『ジャッカ・ドフニ 大切なものを収める家 サハリン少数民族ウイルタと「出会う」』 高島屋日本橋店の高島屋史料館TOKYOで開催されている企画展「ジャッカ・…
ロビンソン・クルーソー (河出文庫)作者:デフォー河出書房新社Amazon年始のヴェルヌに続いて海洋冒険小説を読んだ。夏だしね。1719年刊、無人島漂流サバイバルの古典的作品。今は新訳も複数あるけど読んだのは河出文庫版。食人族の未開人とか、植民地主義の…
ブルーノの問題作者:アレクサンダル・ヘモン書肆侃侃房Amazonボスニア生まれでアメリカを旅行中に起こった戦争のために帰国できなくなり、働きながら学んだ英語で書いた作家のデビュー作。アメリカとボスニア、英語と母語、歴史と個人、虚構と事実など様々な…
文学フリマ東京37で買ったものの、全部ではないけど読んだものを。 羽織虫「熱水噴出孔より」シリーズ わかしょ文庫『そこにあるだけ』 サワラギ校正部『校正のたね』 『別冊代わりに読む人 試行錯誤1』 オルタナ旧市街『一般』 奥山さと『ちっとも懐かしく…
アルバニアの小説家イスマイル・カダレが亡くなった。 アルバニアの著名小説家が死去 イスマイル・カダレさん、88歳(共同通信) - Yahoo!ニュース 誰がドルンチナを連れ戻したか作者:イスマイル カダレ白水社Amazon15年ほど前に『誰がドルンチナを連れ戻し…