Twitterで告知したまま忘れてましたけれど、さる3/28の北海道新聞夕刊で、連載企画「現代北海道文学論」の一環として私が担当した笠井清論が掲載されました。
『北の想像力』の執筆者たちが北海道文学について論じる「現代北海道文学論」が3月28日の北海道新聞夕刊に掲載されました。今回はライター東條慎生氏による札幌のプロレタリア詩人〈笠井清〉論。東條氏は『北の想像力』でもプロレタリア作家〈鶴田知也〉の『コシャマイン記』を取り上げいます。 pic.twitter.com/OohU0FzzE8
— 土肥寿郎 (@jyu6) 2017年3月30日
北海道、札幌のプロレタリア文学運動の重要人物で、90年に亡くなるまで活動を続けた詩人です。
連載・特集:どうしん電子版(北海道新聞)
こちらにてウェブ公開されていますのでご参照を。
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言及した木村友祐「幸福な水夫」はすばる2010年2月号掲載の作品。強引な父のわがままからある温泉宿を目指して、車いすの父と語り手とその兄とが下北半島を北へ上っていく道中を描いた小説。下北の地理と、嫌っていた父の歴史が絡んで、地方からの怒りを放つ、とても爽やかな家族小説でもある。父がとても問題のある人物で、わがまま、暴虐で。でも、人にはいろんな歴史があり、事情がある。かといってその暴虐さが許されたわけでも克服されるわけでもなくて、ここらへんのバランスがいい。書き手とダブる語り手の自己批判もそのバランスを支えている。こちらもお勧め。
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