- アーティスト: Colin Bass
- 出版社/メーカー: Oskar
- 発売日: 2003/09/23
- メディア: CD
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ポーランドで録音されたようで、その筋の人には有名なポーランドのプログレバンドQuidam(サーカスのアレとは違います)のメンバーなどが参加しているが、それ以上にアンドリュー・ラティマーの参加がキャメルファンにはうれしいところだろう。ほぼ大半の曲でギターを弾いている。
それもあってか、アダルトで落ち着いた雰囲気等、復活キャメルの面影をつよく感じさせるところもあり、復活キャメルが好きな人には強く薦めたい。それとともに、歌もののメロディアスな完成度は非常に高く、キャメルファンでない人にも聴いて欲しい出来だ。
ラティマーもそうだが、バースも低めで柔らかい声質で、派手さはないものの地味に良いヴォーカルを聴かせてくれる。
ちなみに、タイトルはジョーゼフ・コンラッドの小説「文化果つるところ」の原題の借用。直訳すると島の流浪者ぐらいの意味だろうか。
1.Macassar 冒頭はキーボードの音を導入としたキャメル的なインストを聴かせてくれる。これがかなり名曲。いいオープニングだ。ラティマーのギターも冴える。
2.As Far as I Can See ここではバースの声を生かしたミドルテンポの歌ものだ。このアルバムではこうした歌もののできがよい。
つなぎのインストを挾んで、4.Goodbye To Albion 本作での歌ものの白眉。ポップで明朗な別れの歌。エンディングの盛り上がりがドラマティック。フルートが印象的。
5.The Stars Of Malacca ラティマーのギターが大活躍のギターインスト。キーボードに続きフルートも出てきます。そのままメドレーで次曲に。
6.Aissa これはキーボードのバッキングのうえをバースのフレットレスベースがリードを取るインスト。暗い海辺の夜を思わせるメロディアスな佳曲。
7.Denpasar Moon 歌ものだが、こういう曲を指すジャンル名があったような気がするがわからない。
9.No Way Back つなぎの小曲を挾み、爽快なギターによるオープニングで始まる歌もの。ベースソロが少しだけ聴ける。これも良い曲だなあ。
10.Holding Out My Hand アダルトな雰囲気のバラード。ラストになってインストが盛り上がりギターが切り込んでくるところも聴き所。
11.The Outcast これはオーケストラによるインストで、途中にあった他ふたつのインストの総まとめみたいな感じで、次曲に続く。
12.Burning Bridges ダイナミックなアレンジが印象的なハードめな歌もの。キーボード、ギターともに印象的な演奏を披露している。
13.Reap What You Sow 穏やかな歌もの。バースらしい優しい雰囲気が良い。
14.Trying To Get To You ラストはアコギ弾き語りの小曲で静かに締める。クレジットに日本の動物と虫と書いてある通り、SE的なざわめきがバックで聞こえている。
15.Poznan Pie ここからボーナストラック。アッパーなロックンロール。ママにパイをくれとか叫んでる。
16.Burning Bridges ライブ版。アコースティックライブからの録音のようで、アコギがメインになっている。そしてフルートのアグレッシヴなプレイがすごい。
17.As Far as I Can See これもアコースティックライブからのテイク。フルートがソロを取るほか、ハーモニカ(バースが吹いてんのか?)も。
全体を通して完成度が非常に高い。先鋭的だったりさほどハードなわけでもないのだが、穏やかな雰囲気が漂っており、地味によい作品だ。出来の良さで言えば、80年代以降のキャメルの全アルバムとならべても上位にくるだろう。まあ、ラティマー主導ではないわけでギターサウンド的には本家に比べたら物足りないところもある。
後期キャメルもそうだが、このアルバムなどはアダルトオリエンテッドロックならぬ、アダルトオリエンテッドプログレ、といった雰囲気。良い作品です。
コリン・バースの日本語ファンサイト。この人の経歴は結構面白い。
IN THE MEANTIME