Amarok - Amarok


プログレ関係にはAmarokというグループが少なくとも二つあり、片方はスパニッシュトラッドのスペインのAmarok、こちらはマルチプレイヤーが中心となったポーランドのAmarok。これはそのポーランドの方の1stアルバム。2001年リリース。

ユニット名が示すとおり、Mike Oldfieldフォロワーとして知られ、スペインのAmarokがあまりマイク風ではないのに比べ、こちらはかなりマイクの影響が垣間見える音になっている。といっても、聴いた感じは初期四部作の大作主義時代のものよりは、90年代の「Guitars」あたりの作風が一番近い印象だ。ただ、ギターはギルモア風とよく評される。確かにブルージーな感触。

前半はアコギなどのアコースティックサウンドが活躍する清涼感と叙情性の強調された雰囲気で、後半はよりロック的なアプローチとなり、エレクトリックギター、アナログキーボードが活躍するプログレっぽさ炸裂の楽曲が多い。

前半では「Fieldmour」と題された三パート(途中で別の曲にメドレーするので実質四パート)に分かれた曲が出色。大曲ではあるけれど、アコースティックサウンドが中心で、印象的なメロディが何度か形を変えて変奏されていく。ヴァイオリン、フルートなども導入し、途中結構ポップな雰囲気になったりもする。ヴォカリーズの入るそのポップなパート2での躍動感あふれるエレクトリックギターが良い。後半はアコギ、ピアノを中心に穏やかに推移していき、非常にリラックスして聴ける。ラスト近くでベースランニングのうえにピアノやエレクトリックギターが乗るアレンジはとってもマイク風。アコギ、ピアノ、ヴァイオリンと変奏されるメインのメロディはなんともいえず印象的。マイクどうこう関係なく名曲といっていいと思う。

後半は小曲集といった感じで、ベースがメリハリをつけるアップテンポの曲や、ハードなエレクトリックギター、キーボード、フルートなどが活躍するプログレなもの、しめやかなアコギ曲、ギターの独壇場のような弾きまくりのロック風、そして打ち込みなどを活用したモダンなものなど、多彩な楽曲が楽しめる。

全編インストのギターアルバムで、涼やかな感覚が良い。かなりの好盤。個人的には「Fieldmour」あたりはファンタジーRPGの緑広がるフィールド画面で流れたら嵌りすぎると思う。FF6の崩壊後のフィールド曲的な。


AmazonHMVなどにはカタログが載っていないのでその手の専門店などでしか入手経路がない。ディスクユニオンの新宿プログレ館までいけばあるみたいだけども。全作欲しいところだけれど。ちなみに、セカンドにはCamelのベーシスト、コリン・バースが参加したり、サードには同じくポーランドプログレバンド、Riversideのヴォーカルが参加していたり、人脈的にも面白い。

ディスクユニオンのショートレビュー
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