第十七回文学フリマに「幻視社」で参加します

2013年11月4日(祝日月曜)、東京流通センターで開催される「第十七回文学フリマ」で幻視社として参加します。
ブースは「Fホール オ-25」となります。第二展示場の二階ですね。
幻視社 [第十七回文学フリマ・評論|SF] - 文学フリマWebカタログ+エントリー

「第十七回文学フリマ
開催日 2013年11月 4日(月祝)
開催時間 11:00〜17:00
会場 東京流通センター 第二展示場(E・Fホール)
アクセス 東京モノレール流通センター駅」徒歩1分
参加サークル数 688ブース
http://bunfree.net/?17th_bun

以下、とりあえず表紙と目次を。

「幻視社 第七号」 未来/味蕾

    小 説
エンドケイプ 酢昆布
渡邊利道 倒れるものすべて
佐伯僚 ネコノカミソリ


   特 集
国書刊行会未来の文学〉を読む

岡和田晃 「ニューウェーヴSF」の復活
未来の文学〉全作レビュー
ケルベロス第五の首 エンベディング アジアの岸辺 ヴィーナス・プラスX 宇宙舟歌 デス博士の島その他の物語 ベータ2のバラッド グラックの卵 ゴーレム100 限りなき夏 歌の翼に ダールグレン 奇跡なす者たち 第四の館
岡和田晃 ガザミ 東條慎生 渡邊利道


   小 特 集
没後十年・二階堂奥歯

佐伯僚 仮説を前提とした二階堂奥歯の自己同一性と性自認とは
佐伯僚×岡和田晃対談 二階堂奥歯 物語をまもるもの
特別寄稿エッセイ
高遠弘美 勝山海百合 高原英理


〈東欧の想像力〉を読む 追補2
イェジー・コシンスキ   異境
ラジスラフ・フクス    火葬人
メシャ・セリモヴィッチ  修道師と死
東條慎生


特別掲載 向井豊昭作品
向井豊昭 Saito-Hidekatu
岡和田晃 エスペラント小説「Saito-Hidekatu」のためのささやかな覚書

と、こうなっています。

未来の文学

メイン特集は国書刊行会SF叢書「未来の文学」全作レビュー。現在全14作のレビューとなっております。SFファンなら皆さん読んでらっしゃると思いますので特に説明はしません。これはそれぞれみなさん苦労した感じです。私はワトスン、スタージョン、プリースト、ラファティ(館)といったメンツでしたけれど、ラファティは特にいろいろ難しい。スタージョンはこれを期にだいたいの作品を読みましたけれど、スタージョンは素晴らしいですね。ただし説明は難しい。ワトスンもこのなかだと翻訳が最近出ませんけれど、もっと出て欲しいところ。プリーストはこの機会に夢幻諸島ものの既訳短篇「観察者」も読んで紹介しました。

没後十年・二階堂奥歯

小特集として、二階堂奥歯特集を企画しました。今年、ブログをまとめた『八本脚の蝶』が復刊され、それを受けて以前からのファンだった佐伯さんと岡和田さんとがメインで構成されたものです。私は名前は知っていてもこれまで読んだことはなく、他の作業もありこの企画にはほとんど関われなかったのですけれども、作業が詰まってなかったら何かしら記事や対談にももうすこし参加したかったところです。
なお、岡和田さんの突然の依頼に高遠弘美さま、勝山海百合さま、高原英理さまがそれぞれ原稿を寄せてくださり、弱小同人誌としてはとてもびっくりしてしまって、頂いてしまって良いのだろうかと恐縮しきりでした。これもひとえに二階堂奥歯がそれほど人を惹きつける人だった、ということを感じました。ありがとうございました。

〈東欧の想像力〉を読む 追補2

ようやく手に入れたコジンスキー(コシンスキ)の『異境』を簡単に紹介しつつ、今年でた〈東欧の想像力〉のフクスとセリモヴィッチの二作をレビュー。〈東欧の想像力〉叢書で出た作家の既訳をすべて紹介するという第五号当初の予定はこれで達成。完全に私の趣味でやっている五ページくらいの短いコーナーです。

向井豊昭作品

未発表、と事前には書きましたけれど、今回、厳密には既に発表された作品です。その点すみません。とはいえ「Saito-Hidekatu」は私家版のごく少部数の冊子として発表された『ここにも』収録作で、現在北海道の道立図書館と道立文学館のみでしか読むことができないもので、きわめて貴重な作品となっており、「早稲田文学6」でエスペラントを題材にした「用意、ドン!」が掲載されたことを受け、エスペランティスト、ローマ字教育運動にかかわった斎藤秀一に取材した本作を掲載することに致しました。80枚ほどの分量におよぶ、かなりの力作です。
また、岡和田晃による向井豊昭をめぐる現状についての解説を付してあります。

以上のようになっております。全128(表紙含む)ページ、120ページの第四号を超える幻視社一番のボリュームとなっております。正直、原稿量が多すぎて以前よりかなり詰めました。四号からすると35パーセント増です。前回部数をケチって早く売り切れてしまったことを鑑みて、今回は部数二割り増し、ページ数も割り増しで、印刷費が資金ギリギリまで行ってしまったので、次回分の印刷費の工面に苦労しそうです。よろしくお願いします。

岡和田晃『「世界内戦」とわずかな希望〜伊藤計劃・SF・現代文学』先行発売

「世界内戦」とわずかな希望〜伊藤計劃・SF・現代文学 (TH Series ADVANCED)

「世界内戦」とわずかな希望〜伊藤計劃・SF・現代文学 (TH Series ADVANCED)


そして、幻視社同人岡和田晃による初の批評集が刊行されるのですけれど、文学フリマ幻視社ブースで店頭よりも何日か早く先行発売します。発行は、SF、現代文学ファンなら聞いたことがあるだろうトーキングヘッズ叢書(私も『PKD博覧会』を持ってます)のアトリエサードから。
岡和田晃「「世界内戦」とわずかな希望〜伊藤計劃・SF・現代文学」 - アトリエサード Atelier Third
幻視社での原稿もいくつか採録されています。こちらもよろしく。