上海アリス幻樂団・黄昏フロンティア - 全人類ノ天楽録 東方緋想天 ORIGINAL SOUNDTRACK

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東方その二。ZUN氏がキャラクタ原案とシナリオ、新キャラのテーマ曲を提供した、同人作品の同人ゲームという妙な位置づけの、2008年発表の弾幕格闘ゲームのサントラ。ゲームはまだやったことはないのだけれど、二枚組で1260円という値段設定に惹かれて買ってみた。

ZUN氏の曲は三曲程度で、あとはすべてあきやまうに、という人のオリジナルと既存東方曲のアレンジなんだけれど、このあきやまうに氏のオリジナル曲の出来が非常によい。わたしは最初の一曲目、「緋想天」を聴いた途端にそのクオリティの高さにはほんと驚いてしまった。

パッと聴き、まず同人音楽には聞こえないレベルで、メジャーなゲームのBGMとしてもなんら違和感ないくらいの出来だというのもあるけれど、なんといっても凄いのはゲスト参加らしいJUN氏のヴァイオリンの躍動感あふれる力強い演奏だ。

「緋想天」はオープニングらしい壮大さと哀感あるメロディがヴァイオリンで奏でられ、非常に印象的な名曲。一曲目から凄いなこれは、と目が覚めた。
ピアノアレンジ。

そして、アクションゲームらしく、アップテンポな曲でも、ヴァイオリンがキレのある演奏を披露していてとても聴き応えがある。特に良いのは以下の公式動画でBGMに使われている「地の色は黄色」、これは格好いい。
*1
せわしないヴァイオリンと東方曲らしさのあるトランペットの絡みが面白い。そしてどこか大陸的、アジア的な感じがするのが今作の作風。

ダイナミックなヴァイオリンにちょっと葉加瀬太郎情熱大陸とかそこらへんを連想したりもする。アコーディオンとかを使った曲もあったりして、結構多彩。

ただ、メインテーマの変奏曲が多い(会話シーンなど用の日常っぽい曲)点は人によっては減点対象か。また、二枚目のアレンジ曲集はジャズあり、ロックあり、オーケストラ風ありと曲調も多彩で質は高いものの、やや趣味の違うもの(曲の印象を大胆に変えてくる感じ)ではあったので、もっぱら一枚目ばかり聴いている。ただ、二枚目もヴァイオリンとチェロの入った「フラワリングナイト」はかなり良いし、ギター入りの「星の器」、アコーディオンメインの「彼岸帰航」など、それぞれかなり良いのもあるので、全体としては非常にコストパフォーマンスの高い作品。どれにしてもタイトル曲「緋想天」及び「東方緋想天」はオリジナル、アレンジともに名曲。

しかし、あきやまうに氏のメジャー感があり、音源のグレードも高い曲と、ZUN氏の音源がややチープだけれどきわめて個性的な曲は、こう対比してみるととても面白い。
Twilight-Frontier
東方緋想天
全人類ノ天楽録

*1:ブログに貼り付けるときは高画質化のURLは使えないみたい