アンデス、南米の笛ことケーナ吹きのベックマン

民族音楽プログレに続いてここから民族音楽ゲーム音楽篇(とはいってもこれ、ゲーム音楽ではない)。

ベックマンさんというのはネットで主に活躍しているミュージシャンで、ケーナというアンデス民族音楽フォルクローレ(「コンドルは飛んでいく」とか結構駅前とかでグループが演奏しているのを見たことがある人は多いはず)で用いられる笛の演奏家
http://music.geocities.jp/balsa_perdida/haioku/index.html
以前、東方Projectの楽曲アレンジで割と熱心に紹介したことがあるように、東方やゲーム音楽のアレンジと、オリジナル曲を制作している。ゲーム音楽そのものとはやや異なるけど、一応その文脈、ということで。

私はこの人のオリジナル曲が好きで、印象的なメロディセンスは抜群で、アレンジをやっている東方曲にも負けないと思う。民族音楽系のゲーム音楽とかが好きな人なら楽しめるのではないか。本人、聖剣伝説のサントラにはまったことがきっかけだったようで、その影響も見える。ちなみに私は、この人の曲がきっかけでフォルクローレのCDをいくつか聴きはじめた。誰かこれは、というフォルクローレのCDがあれば教えて欲しい。

今年一番聴いた氏のオリジナル曲はこれ。

ポップさと情感のあるメロディの盛り上がりが素晴らしい。曲調に比してベースが元気すぎるのではないかと思わないではないけれどそれもまた味。これは別にゲーム音楽ではないのだけれど、私がゲーム音楽を聴くのはこういう曲が聴きたいから、という期待を期待以上に満たしてくれるような曲だ。聴いてない時でも口をついて出てくる印象的なメロディライン。見知らぬ情景が広がるような音だ。これがいまだに1000ヒットもしていない、というのには驚く(現在973hit)。自身のサイトでMP3を配布しているというのを考えても、もっと聴かれて欲しいと思う。

もうひとつ、同人ゲームの音楽に使用されたという短いこの曲。

短いながらもシンプルで印象的なメロディをリフレインさせながら少しずつ展開していく構成がよい。

叙情的なメロディとケーナの哀愁ある笛の音の強力なコンビネーションが最大の魅力で、これにはどうやったって負けてしまう。メロディセンスがどれも好みだ。

最新作のこれ、抜粋っぽいけれど、ここだけでも秀逸。

以前も紹介した名曲。異国、旅をイメージさせる。

異国っぽい、ゲームのフィールドや街の曲であったらすごくマッチしそうな曲ふたつ。

軽快でユーモラスな曲調のものも。

これ以外にもいくつも曲はあるのだけれど、特に以上の曲は一度は聴いてみて欲しい。打ち込み音源っぽさが目立つけれど、曲の出来は秀逸だ。

いくつかのイベントでCD作っているらしいのだけれど、書店委託とはしていないので入手できず。ただ、その音源らしいものは氏のMySpaceで聴くことができるので、こちらでどうぞ。
Beckman | Listen and Stream Free Music, Albums, New Releases, Photos, Videos

氏のニコニコのマイリスト

東方アレンジでは最近は桜庭統風だとか、ジャズ風とかの多様な方向性を模索していて、楽曲のバリエーションを増やそうとしているみたいだ。また、「ケーナ」ではわかりにくいと考えたのか、南米の笛、とかアンデスの笛とかいろいろ動画タイトルを模索しているのが分かる。いかにも打ち込み、という音源の弱さがあるけれど、まだまだ良くなっていくはずで、その点も期待している。

民族音楽系アレンジャーとしてはアイリッシュマルチプレイヤーKou Ogataさんがいて、この二人が生演奏系としては私のなかでは二強。打ち込み系のオーライフジャパンのまさみティーさんを加えて私的民族音楽系東方アレンジの三強。ここら辺でコラボしたら面白そうなんだけれど。