Eagles - Hotel California

ホテル・カリフォルニア

ホテル・カリフォルニア

イーグルスの有名すぎる五枚目。1976年作。バーニーの脱退、そしてジェイムズ・ギャング、バーンストームを経て、ソロでも当時有名だったというジョー・ウォルシュが加入し、ほぼカントリー要素を払底したロック色の強いアルバムとなった。とはいっても、アコースティックな穏やかな曲もいくつかあり、全体としてはそれほどハードロック偏重という感じはしない。

さて、中身はなんといっても冒頭「Hotel California」。名曲中の名曲だし、洋楽全体を考えてもトップ3には入るだろう曲。聴く前はちょっと古くさいイメージがあったのだけれど、一聴して戦慄するほどシリアスな曲。物語性のある歌詞、ヘンリーの枯れた叙情のヴォーカル、ラストのツインギターソロ。これに匹敵するロックの名曲というと、ZEPの「Stairway to Heaven」くらいじゃなかろうか。

他にも、ギターを重ねまくった焦燥感に満ちたアップテンポな「Life In The Fast Lane」、ドン・ヘンリーのヴォーカルが光るイーグルスのバラードの代表的な作品「Wasted Time」、そしてラストを飾る「The Last Resort」もまた名曲で、特にA面はどれも秀逸な曲。B面がちょっと印象の薄いイメージがあるが、やはり極め付きの名盤。

1.Hotel California (6:30)
アコースティックギターにベースが絡む重苦しいイントロがやはり印象的。歌の合間合間のギターがいちいち格好いい。そして、最後の渾身のツインギターによるソロでフェードアウトしていく様は強烈な余韻を残す。
しかし、この曲、曲だけ聴いても凄いのだけれど、どれどれ、と歌詞を確認したときは戦慄した。夜の砂漠で見つけたホテルに立ち寄った客、という導入で、しかしホテルはどこかうつろな華麗さで満ちている雰囲気。酒を頼むと「1969年以来「スピリット」は切らしています」と返される。サビのホテルカリフォルニアへようこそ、とても素晴らしいところ、というリフレインが非常にアイロニカルに響く。そして、最後に元の場所へ戻るための出口を探そうとさまよっていたら、夜警が肩を叩き、「いつでもチェックアウトはできますが、あなたは決してここから出られない!(You can check out any time you like,But you can never leave!)」と告げられる。この最後のフレーズはちょっとしたホラーみたいに怖い。この寓話的な物語性のある歌詞もまた素晴らしい。

2.New Kid In Town (5:03)
張りつめた緊張がゆるむ穏やかな感じの曲。綺麗な感じの曲だけれど、実はこの曲も歌詞はシリアス。

3.Life In The Fast Lane (4:46)
多重ギターが焦燥感を煽るイーグルスのギターロック系の代表曲。

4.Wasted Time (4:56)
ピアノによるイントロのバラード。ヘンリーのヴォーカル。名曲だが、しかし特に言うことはないなあ。

5.Wasted Time - Reprise (1:23)
ストリングスアレンジ。これはこれでなかなか盛り上がる。

6.Victim Of Love (4:09)
これはかなりハードロックなスタイル。ここからの三曲はいくらか印象が薄い。

7.Pretty Maids All In A Row (3:58)
ジョー・ウォルシュの曲で、ピアノ中心の穏やかな曲。

8.Try And Love Again (5:10)
ランディ・マイズナーの曲。この曲くらいか、妙に前向きなのは。そして一番初期イーグルスっぽさを残している曲。

9.The Last Resort (7:28)
ヘンリーのヴォーカルがやはり沁みる一曲。やさしげで穏やかなメロディの名曲。エンディングとして素晴らしい。
アメリカを歌った歌だが「皆は楽園と呼ぶけれど、なぜだか分からない」とリフレインされる、非常にシリアスな歌詞。このアルバムのリリースは建国200年でもあり、一曲目のホテルカリフォルニアとこの曲の歌詞を考え合わせると、非常に辛辣な認識を示していると見ることができ、それがこのアルバムの「歴史的」名盤としての意味合いを強めているのだろう。


やはりラストのギターソロの応酬が見所。
Eagles- Hotel California (1976)

Eagles - Life in The Fast Lane

そうそう、忘れてた。「ホテカリ」と言えば、この「ホテカル」も忘れちゃダメですね。

ホテルカルフォリニア (上) (Best sellers comics)

ホテルカルフォリニア (上) (Best sellers comics)

ホテルカルフォリニア (下) (Best sellers comics)

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このタイトルは誤植じゃない、そういう漫画。なんていうか、“ひどい”スラップスティックコメディ。いい意味でひどい。面白すぎる。