Blackfield - Blackfield

Blackfield (Dig)

Blackfield (Dig)

Porcupine Treeのリーダー、スティーヴン・ウィルソンは他にも様々なユニットを組んでいて、なかなか活動的で多才な人のようだ。このブラックフィールドはそんなウィルソンがイスラエル人ミュージシャン、Aviv Geffenと組んで録音した第一作。2004年作。

ポキュパのサウンドを知ってる人なら、そこからプログレ、メタル要素をマイナスし、歌ものとしての方向性を打ち出したもの、といえば分かりやすいだろう。ポキュパファンには馴染みやすい音だ。じっさい、メジャーデビュー前までのドラマーでKinoのメンバー、クリス・マイトランドが半分くらいの曲で叩いたりしている。

アコギやキーボードを活用してうっすらと霧に霞むような空気感の演出が巧みなロックサウンド。暗いといえば暗いが、爽やかな感じすらあり、とても良い雰囲気だ。

ポキュパみたいにプログレで長ったらしかったり、メタルでうるさかったりしないので、歌ものロック好きならむしろこちらを聴く方が良いかも知れない。

ポキュパでも証明されているように曲のクオリティが高く、メロディラインの繊細さが際立つ。ウィルソンの声質はこの霧のかすむような音に恐ろしいほどマッチしている。

下の動画は、Blackfieldのアルバム『Blackfield』から、二曲目の「Blackfield」。今作でもっともはまった曲。この空気感、穏やかで透明なメロディが素晴らしい。

Blackfield - Blackfield

スティーヴン・ウィルソン関連と言うことで一応プログレタグをつけておいたが、プログレっぽくはない。

リンクした2005年USリイシュー盤は数曲のボーナストラック付き。ライブが一曲あるが、そのほかの二曲の出来がこれまた良いので、リイシュー盤を強く勧める。