- アーティスト: Wishbone Ash
- 出版社/メーカー: Edel Europe
- 発売日: 2001/09/11
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昨日の続き。
- アーティスト: Wishbone Ash
- 出版社/メーカー: Primo
- 発売日: 2007/04/17
- メディア: CD
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で、シリーズ第三作がこのアルバム。第一弾と第二弾がともに曲目がかぶらないようになっていたのに対して、この第三弾は先行シリーズと半分がかぶっていて、そういう意味では新鮮味がないとはいえる。
ただ、逆に考えればこれまでのアッシュのライブによるベスト盤的な選曲になっているので、どの曲も聴き応えのあるアッシュのキャリアを総まくりできる好作ではある。音もよく、演奏も特に不満はない。
前半の曲目は七十年代後半の第二期アッシュの曲がメインで、アメリカンなアプローチを試みていた時期の曲で、やはりそういう感触が強い。それでもどの曲もアッシュ得意のツインリードギターがうなり、曲調が途中で加速したりスローダウンしたりするプチプログレな展開の妙が光る、名曲ばかりだ。
特に、2の「Living Proof」から「Persephone」「Lifeline」の三曲はライブの定番にもなっている代表曲で、どれも格好いいツインリードが聴ける。
また、5のWings of Desireはツインアコースティックギターによる演奏で、これがなかなか良い感じ。アコギでもツインリードで、リフが記憶に残る。また、7は「アーガス」からライブでは珍しい「Leaf and Stream」。
で、ここからのラスト三曲が怒濤の名曲を連発。「アーガス」から代表曲であり、ラストのこれぞアッシュ、のギターソロが最高な「Throw Down the Sword」、ベースによる印象的なイントロから途中でテンポが変わるアッシュならではのダイナミックなインスト「F.U.B.B.」そして、アッシュを象徴する大作「Phoenix」。
特に「Throw Down the Sword」は、前に聴いていた時はスローテンポだしちょっとたるいかな、とか思っていたけど、何度も聴く内にアッシュの聴き方がわかってきたのか、ほんと名曲だと思い直した。哀愁のツインリード、神話的な広がりを感じさせる叙情性、ギターソロの情感あふれるプレイなどなど、いや、すばらしい曲です。
たぶん、最初私はツインリードギターと聴いて、テクニカルでハードなものを期待していたので、「アーガス」のサウンドは肩すかしに思えたんだと思う。でも、アッシュのツインリードというのは、綺麗なハーモニーを重視したゆったり目のものが多く、いわばアコースティックセットによる演奏を聴くように聴くのが肝要なのだと最近気づいて、かなり楽しめるようになってきたと思う。
じっさい、アンディ・パウエルは、すべての曲の作曲をアコースティックギターでやっているらしく、一音一音クリアに演奏するアッシュの楽曲は、アコースティックでやっても違和感がなさそうだ。5曲目なんか、元々はエレクトリックバンドサウンドだったらしいが、アコギでも違和感がないし、非常にアコースティックサウンドにフィットしている。
まあ、ライブとしての名盤、名演は他にもっと良いものがある、という感じの位置付けみたいだが、曲目、音質等考えると、ベスト盤よりはこれを聴くのもいいんじゃないかという感じ。
今作と昨日の「Illuminations」のカップリングになっているPRIMOの二枚組は、かなり安いので(HMVでは千円ちょい)、非常にお勧めのアイテムだ。
*1:It was never released on CD and remains a sought-after collector's item.