- アーティスト: RPWL
- 出版社/メーカー: Tempus Fugit
- 発売日: 2002/07/23
- メディア: CD
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メンバーは80年代から活動していて、このバンドは97年にピンク・フロイドのカバーバンドとして結成されたらしい。それが2000年にアルバムデビュー、これが二作目となる。オルタナシンフォ、と形容されることもあり、オルタナ的なギターサウンドと、メロトロンなどのアナログキーボードを多用した現代型プログレ。
さて、このアルバム私はかなり気に入ったのだけれど、やや紹介が難しい。現代型プログレ、ということでこのブログでも紹介してきた、Porcupine TreeとかPaatosあたりと似たサウンドといえばいえる。ただ、翳りのある雰囲気といっても暗い曲調ではなく、コーラス含めてメロディラインが綺麗でやさしげな部分がある。
また、ハードでダイナミックな一曲目はけっこうキャッチーなのだけれど、それ以降の曲は基本的にミドル、スローテンポのバラード調で、一聴非常に地味に聞こえる。ハードでアップテンポなわけでもなく、ソロパートがテクニカルというのでもなく、メロディ、雰囲気重視のサウンドになっている。
ちょっと地味で、雰囲気重視、派手ではないので、ややもすると聴き流してしまうのだけれど、個々の曲は非常に出来がよい。何度か聴いて馴染んでくると、かなり楽しめる。
一曲目の「Trying to Kiss the Sun」はRitualみたいなエスニックサウンドが聴けるハードなロック。メロディもキャッチーでライブとかで盛り上がりそうなタイプだ。
次曲「Waiting for a Smile」はミドルテンポの曲。やさしげなメロディで、中間部でのドラマチックなキーボードソロがプログレっぽさを出している。
「I Don't Know (What it's Like)」エスニックなギターフレーズを用いたややポップなメロディが光る。
「You」中盤のハイライト。アナログキーボードとスケール感あふれるドラマチックなメロディが素晴らしい。
「Believe Me」これも非常にメロディが良い。ミドルテンポの緩やかな曲で黄昏時な印象。いかにもこれでアルバムが終わりそうな感じを出しているがまだ二曲ある。しかし、後続の二曲もいかにもこれでアルバムが終わりそうな感じを出しているところがおもしろい。
ラスト「Home Again」は、これまたゆっくりした曲で、ラストの情感あるギターソロでアルバムを締める。
全体的なサウンドは冷たい感じがするのだけれど、メロディがヒューマンな暖かさがあって、そのコントラストがポイント。あまりプログレ、と思わない方が良いかも知れない。ドラマチックではあるけれどテクニカルではない、プログレ風味のスローテンポな現代型メロディアスロック。