Phonogenix - Metagaia

Metagaia

Metagaia

新月、あるいはエレクトリック・アストゥーリアスのギタリスト、津田治彦の初のソロアルバム、2005年リリース。私としてはエレアスのギターとして知る人で、ソロアルバムがMike Oldfield的なサウンドらしいと聞いて手を出してみた。

音は、言ってみればワールドミュージックアンビエント、という感じで、これは確かに90年代のマイク、あるいはアディエマスとかエニグマとかのニューエイジ的音と共通する部分はあると言えるかも知れない。しかし、私としてはマイクといえば初期作なわけで、最初はけっこうがっかりした。また、ギタリストのソロアルバムだけれど、作品の大部分を多重録音、プログラミングによって構築しており、そんなにギターがフィーチャーされているわけではない。

とは言っても、なんどか聴いているうちに、なかなか良い感じに聞こえてきて、聴くたびに良くなっていく。最初の曲でのアンビエントな空間に民族的なパーカッションが絡むところが良いし、二曲目ではふわふわとしたテンポのうえを笛のような音が奏でるメロディがなかなか秀逸だったり、三曲目ではミドルテンポなギターソロ、サックスがエスニックなパーカッションとともに鳴り響き、四曲目ではよりリズミカルで瞑想的な雰囲気になり、五曲目はやや幕間的、六曲目はよりシリアスさとスケール感を増した風、七曲目はこれは最初に聴いたときに唯一気に入った曲で、リズムが明確でポップな感じになり、そこで入ってくるアコギ(?)のメロディが非常に秀逸。さらに何語か分からない歌(サンプリング?)が入ってくる。メロディがわりに明確で非常に聴きやすく、なおかつ印象的なメロディが素晴らしい一曲。ラスト曲は、またアンビエント的な感じに戻り、緩やかに終わっていく。

このアルバムはなにより全体的な雰囲気が良い。メタガイアというタイトル通り、地球、大地を意識した抱擁感や、民族的なパーカス、コーラス等を駆使して、生命の息吹のようなものを感じさせる音になっている。ロック的なスピード感、ダイナミズムとは無縁で、ロックを求めると初聴時の私のようにがっかりするかも知れないが、曲のテンポに自分を合わせるように、余裕を持って聴いていくと、案外と沁みてくるものがある。ゆったりと聴いていたい音楽だ。

ちなみに、上掲のAmazonリンクはムゼア盤な上に、アーティスト名とアルバム名が逆になっている。日本盤は以下HMVリンク参照。
Metagaia : Phonogenix | HMV&BOOKS online - PRF021

レーベルによる詳細な資料
Phonogenix資料 - POSEIDON Daily News
ライブレポ
http://yutanpoha22.web.infoseek.co.jp/phonogenix1030.html