Xenosaga Original Soundtrack

ゼノサーガ ― オリジナル・サウンドトラック

ゼノサーガ ― オリジナル・サウンドトラック

未プレイゲームサントラその四。光田康典によるゼノサーガサウンドトラック、2002年リリース。2004年に再発された盤では数曲が生音で再録され、未発表曲が追加されたりしている。これは旧盤で私はAmazonマーケットプレイスで買ったのだけれど、なんと160円だった。送料込みで500円。送られてくるまではディスクが片方ないとかも覚悟していたけれど、帯付き美品でなおかつ初回限定デジパック仕様だった。桁を一つ間違えてるんじゃないかと思った。儲けものどころではない。

さて、今作では多くの曲が打ち込みにしろ生演奏にしろ、オーケストラ編成で作曲されていて、それまでの民族音楽色の強かったものとは一線を画した音になっている。ド迫力の音の厚みと追い立てるような緊張感を持った曲が多く、パッと聴きはクロスサントラよりも派手で良い。

個別の曲も、オーケストラの曲はどれも似て聞こえるところはあるんだけど、それぞれ良い。通常戦闘曲と思われる「Battle」は中間部のメロディアスな弦楽器のパートが非常に印象的で、「Last Battle」はイントロが良い。やっぱりアグレッシヴで迫力ある曲が多いのが良いな。

ロンドンフィル演奏による「Prologue」「Gnosis」等は、さすがに打ち込みの曲と聞き比べると一段違う。コーラスも入って厳粛で重い。さすがの迫力。

どれが生演奏でどれが打ち込みかは以下の再発盤のリストを参照
SLEIGH BELLS | Online Catalog

で、私がこのサントラを聴こうと思った最大のポイントはもちろん、ケルティックプログレバンド、アイオナ(Iona)のヴォーカル、ジョアンヌ・ホッグが二曲を歌っているからだ。

イオナといえば、私が考える現代プログレバンドの最高峰で、流麗なギターとイーリアンパイプのユニゾンに、ジョアンヌの素晴らしい歌声が乗る、ケルティックサウンドプログレ要素を併せ持つバンド。メンバー全員がクリスチャンであるため、宗教的な荘厳さもあり、アイリッシュミュージックの躍動感、プログレの構築性、ロックのダイナミズムなどを備えたホントに希有のバンドだと思う。そのうち全アルバムレビューをやりたい。
Iona - Treasure

これは三枚目のアルバムから。はじめて聴くという人にはこれが入っている三枚目の「Beyond These Shores」か「Journey into the Morn」がオススメ。ポップな曲とプログレな曲のバランスが良いので。

Iona - Beyond These Shores

Iona - Beyond These Shores

インストでも良いという人は「Open Sky」の一曲目を聴くべし。ギターとパイプのツインリードの素晴らしさを堪能できる。

というわけで今作のジョアンヌの曲だけれど、これが素晴らしい。アイオナの名曲と比べても遜色ない代物だとは驚愕の出来。というか、光田氏はこれ、かなりアイオナを意識して作っていると思う。ホイッスルの入れ方とか、上の動画の「Treasure」とか「Irish Day」あたりのアイオナ流ポップスをややドラマティックにしてみたというような曲調で、これは涙が出るほど名曲、ホント。アイオナファン、というかジョアンヌ・ホッグのヴォーカルが好きな人は必聴。

サントラはいらないというアイオナファンにはこちらのシングルで。

ゼノサーガ - KOKORO

ゼノサーガ - KOKORO

これ、洋楽チャートで一位取ったらしいんだけど、これって洋楽扱いで良いんだろうか。吉良知彦がギター、渡辺等がベースで、弦一徹カルテットがストリングスで、ドラムとホイッスルは外国人だな、クレジットみると。またしてもザバダック人脈。

Kokoroはより落ち着いたしっとりとした曲調でこれもまた良い曲。まあ、ジョアンヌ・ホッグが歌えば何だって名曲だよ。クロノクロスのヴォーカル曲は正直どうということもなかったけど、これは両方名曲。

ホント、ジョアンヌ・ホッグヴォーカル曲だけでも元は取れるアルバムでした。もちろん、楽曲も良いのが多いんだけども。ただ、オーケストラ曲は曲調が似たものに感じられるところがある。

DISCOGRAPHY | Xenosaga Original Soundtrack
試聴
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ただ、試聴はiTunesで聴くと良いと思う。全曲試聴できるので。