Gary Moore - Wild Frontier

ワイルド・フロンティア

ワイルド・フロンティア

ハードロック、ブルースギタリスト、ゲイリー・ムーアの1987年リリース作品。

ゲイリー・ムーアといえばコロシアム2の人、という印象だったのだけれど、そういえばこの人はハードロックで有名な人だということを思い出して、Youtubeでちょっと検索したところ見つけたのがこれ。

ハードロックサウンドに絡むフィドル、パイプが醸し出すアイリッシュ風味が素晴らしい。聞けば北アイルランドベルファスト出身とのことで、原点回帰的な意味合いをもつアイルランドをテーマにしたアルバムというのがこの「Wild Frontier」。

劈頭の上掲曲が素晴らしいのに加え、二曲目のタイトル曲もまた名曲。

んで一曲挾んでの「The Loner」はこの頃の泣きのギターインストとしては代表的な一曲だろう。これも映像があるので是非。元々はコージー・パウエルのソロアルバムの曲。

この三曲が突出しているのだけれど、他の曲もハードロックらしさ満載で、メロディも印象的な曲ばかりの高密度盤だ。名盤の評価も納得のでき。

ただ、アイリッシュ風味は一曲目と、そして最後のトラッド風の曲くらいで、他は普通にハードロックなところがやや物足りないか。その最後の曲はまんまトラッドでハードロックではないけれど、これがまた佳曲。

ギタリストとして、ソングライターとして、そしてヴォーカリストとしてもかなりの活躍をしているのが凄い。

リマスター盤のボーナストラックがまた面白い。12インチ盤ならではの拡大、というか勿体つけたバージョンがいくつか入っていて、どれも良い。「Over The Hills〜」は最初にse等で遊んでから通常のイントロに入った後、ワンコーラス分をギターだけのインストverで演奏してから歌に入るという形になっていて、これは「Wild Frontier」でも採用されている長尺化手法だ。両者ともアルバム版とはギターソロが違う。「Over The Hills〜」はPVでも違うギターソロのテイクが用いられていて、計三パターンのソロがあることになる。「Friday on〜」は後半のギターソロがより長々と炸裂している。

また、一曲目と二曲目にかんしては、「After the War」のリマスター盤にライブテイクが収録されているのが見逃せない。「Over The Hills〜」のライブテイクは10分近い拡大版で、冒頭に「Johnny Boy」がインストとしてパイプで演奏されてから演奏に入るという演出になっていて聴き物。


こちらでは歌詞と訳詞が見られる。