Lunasa - The Merry Sisters Of Fate

LUNASA

LUNASA

前にボシーバンドを紹介したけれど、現在ケルト音楽界でボシーの再来とまで言われているバンドがこのルナサ。現代アイリッシュトラッドのなかでは、かなり人気のあるグループらしく、とりあえずルナサを聴いておけばOKとか。

メンバーもそれぞれがこれまで様々なバンドで活躍してた人物が集まっていて、アイリッシュミュージック界のスーパーバンドとも言われている。楽器編成がやや変わっていて、フィドル、フルート、ギター、パイプとここまでは普通だけれど、このジャンルでは珍しくベースがいて、ギターとともに堅実なリズム隊を構成している。

このアルバムは2001年リリースのサードアルバム。叙情的な曲から躍動感あふれるアンサンブルまで楽しめる。まあ、ケルト系はどれもそうだけれど。

この手のバンドではやはり曲と曲をつなげるアレンジセンスが問われるものらしいのだけれど、ルナサは特にそこら辺がボシーと並んで評価されるところ。このアルバム一曲目の「Aoibhneas」も、この繋ぎが絶妙だ。
以下の動画は冒頭が切れているけれども、途中で流れるようにテンポアップするところが面白い。

二曲目の「Donogh and Mike's」はイントロからのギターがいい音していて非常に心地よく、そこに絡んでくるフィドルが牧歌的で少し哀愁を感じるメロディを奏でる。パイプやフルートも出てきて、厚みのあるアレンジになっていく
これはニコニコ動画で東方のアイリッシュアレンジの人ことKou Ogataさんがイリアンパイプソロで演奏動画を投稿しているのでそれを。

表題曲の「The Merry Sisters Of Fate」はアンサンブルが疾走するスピードナンバー。うなるようなベースと素早いギターのリズムが良い。そして鉄壁のユニゾン。動画はスタジオ盤よりも長尺化して見せ場を強調したライブバージョンになっている。

で、次の曲はクールダウンするかのように緩やかでメロディの綺麗なワルツ「Inion Ni Scannlain」。スカラーンの娘という邦題らしく、これはKouさんがサイトで自分で演奏したのを公開している*1

落ち着いた曲が続いたり、ミドルテンポのアンサンブルでじっくり聴かせた後、ラストにはルナサのライブ定番曲、「Morning Nightcap」が待っている。

明るい冒頭から、中盤でやや曲調が替わってだんだん盛り上がっていく構成が良いな。

というわけで現代アイリッシュミュージックの最強バンドとも言われるくらいなので、是非ともアイリッシュケルトのとっかかりに良いんじゃないかと思います。