言葉がない

地震からすでに二日経とうとしているけれど、未だに数十分ごとに余震があるという状況だ。昨夜は寝る前に以下の動画と津波に巻き込まれたと思われる人のツイッターを見ていたため、余震がくるごとに緊張が走ってなかなか眠れなかった。

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自宅で眠ることができるだけましといわれればそうだ。

津波で町ごと消えたところも複数あるようだ。そもそも町単位で連絡がつかないところもあるという。12日だと死者行方不明者は数百人単位だったけれど、そもそも連絡が付かないので行方不明かどうかも不明というのがかなりの数に上るのではないか。上記動画の町は一万人ほどが行方不明という。おそらく、津波に飲まれた人は数万を数えることになるのではないか。子供の頃に見た伊勢湾台風の被害を描いたアニメ映画を思い出した。

原発はまだまだ危険な状況。

東北地方はすべてが、関東一部地域も物流がストップしている。陸路はどれだけ使える状態なのだろうか。

関東はこれから輪番停電が始まる。初日も八時間ほど停電になって、どうしようもなかったけれど、東北ではそもそも電気が行ってない地域が多いだろうと思う。

数多くの被害者を前に、どんな言葉を書けばいいのか私にはわからない。亡くなられた方には「冥福を祈る」という言葉が語られるけれど、仏教的な意味合いがあるので、自身仏教徒ではなく、相手が仏教徒ともわからない時に使う気にはなれない。ただ、被害の大きさに戦慄し、亡くなられた方々を悲しいと思うことができるだけだ。

被災者の方はまだこれからが大変だろうと思われます。今自分の生活が厳しい状況なので寄付とかはできませんけれど、お見舞い申し上げたいと思います。

一昨日の日記は、完全に停電中でラジオでニュースを聞き出したのもずいぶん遅れてのことだったので、自分の目で見た範囲のことしか書いていなかったのが今見返すとよくわかる。


気になるのは、一昨日も書いたけれど、火事場泥棒のように不安を煽ったりする人がいるということ。それだけでなく「この非常時にっ!」と状況を盾に、感情的になることを正当化したり、不正確な情報を流したりする人もいる。こういった状況では、不安や怒りと不正確な情報が互いに加熱しあって何が起こるかわからない。

混乱が予想されるこの状況では、いつにもまして情報の正確さと慎重さが要求される。それを、誰かが情報を隠している隠蔽している嘘をついている等々と非難するのは筋違いだろう。混乱と負の感情をあおってどうするというのか。

感情的になって事態が改善するとは思えない。特に周りの人間が感情的になってもいいことはないだろう。そして、協調して行動すべき時に猜疑心と陰謀論は最大の敵となる。この時点で政府などが嘘をついていると言い立てるような、分断と敵対を煽る行為は足を引っ張るだけだろう。

負の感情をあおるような情報や、陰謀論を警戒して選り分けていきたい。
未曾有の災害のときに - 内田樹の研究室
ここまで書いているところで、上の記事を見つけた。久しぶりに内田樹の言葉に深く同意した。否定的な言葉、他責的な言葉は、対立を煽るだけだ。だから、ひどい発言やデマを見ても、スルーと訂正、正しい情報の提供がなされるべきで、キツイ批判やこれはひどいの合唱もさけた方がよいと思っている。悪意と攻撃性の膨れあがりが、ある敵対の線の引かれるままにドライブしていく可能性が恐ろしい。

またこの非常時だからこそ、「この非常時にっ!」といった類の慎みを強要する言説に違和感を持つ。非常時にも日常はあり、日常には喜怒哀楽もあるだろう。


これを書くあいだだけでも何回(午前中時点)も、それも結構揺れる余震があった。まだまだ地震は続いていて、一次災害そのものがまだ終わっていない。

原発も予断を許さない状況らしいけれど、目下の心配事は、余震が続くなかで最初にあったよりも大きな地震が起きやしないかということだ。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110313/k10014641851000.html
と書いていたところで、三日以内に「M7以上の余震 確率70%超」という予測がでている。

余震が怖いのでカレーを作るのは中止にする。