
- アーティスト: Wishbone Ash
- 出版社/メーカー: Talking Elephant
- 発売日: 2007/01/30
- メディア: CD
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前作「Illuminations」(http://d.hatena.ne.jp/CloseToTheWall/20070614/p1)でかなりのヴォーカルを聴かせてくれたベーシストどころか、オリジナルメンバーアンディ・パウエル以外は総入れ替えになっている。いまも一年二年ぐらいでメンバーチェンジが行われており、アンディ・パウエルのソロプロジェクト的形態となっている*1。
あのヴォーカルがいなくなってしまったけれど、今作はファンサイトでアッシュのスタジオ盤でベスト3には入る、と言われていたり、前作なみに評判は良い。
聴いてみると、確かに、かなりの力作だ。特に最初の四曲ほどはどれも粒揃いで個性ある楽曲になっていて、非常に楽しめる出来。
1.Almighty Blues (5:24)
ハードなブギー調ナンバー。パワフルで明朗なオープニングにぴったりの曲だ。ユニゾン、というかハーモニーパートもソロも決まっていて、ギターロック好きにはたまらないだろう。
2.Enigma (4:10)
冒頭からのイントロのメロディやキーボードサウンドがエスニック、というかオリエンタルな雰囲気があって、なかなか面白い印象を残してくれる。そのエスニックなリフをバックにソロを取るパートなんかの格好良さもかなりのもの。中近東的なニュアンスを取り入れてうまいこと曲を印象づけるのに成功している。
3.Faith, Hope and Love (5:55)
叙情的なバラードだが、ギターサウンドはハードに切り込んでくる。サビでしっとり落ち着く落差が印象的。
4.Ancient Remedy (4:48)
タイトル通り(?)、古代っぽいというかやはり中近東っぽい感じがするかなり印象的なリフがリードする異色な曲。このリフだけで引っ張った感じがしなくもないが、面白いリフなので全然楽しく聴けてしまう。2曲目もそうだが、こういう異色なニュアンスを混ぜた曲調はすごく印象に残るし、面白いから好きだ。
5.Changing Tracks (4:18)
アメリカンな雰囲気が濃厚な一曲。なかなかそれっぽく決めた曲だが、ブリティッシュ好きにはどうかなー、という感じ。
6.Shoulda, Woulda, Coulda (4:00)
ミディアムテンポで地味に進む曲。
7.Bona Fide (3:08)
タイトル曲。ツインリードを生かした軽快なギターインスト。タイトルはラテン語で誠意ある、真実の、などの意。
8.Difference In Time (4:30)
佳曲だが、特に書くことがないな。
9.Come Rain, Come Shine (6:09)
フルート(かシンセ)によるイントロ、バッキングが印象的な、ちょっと牧歌的な雰囲気の曲。かと思うと、突然ラジオかテレビの音声がノイズ混じりに挿入されて、いきなりハードなギターが切り込み、ピアノが入りインストパートが始まる。ベースもここぞとばかりに歪んだ音色を押し出してくる。しばらくハードなインストが続くと、突然最初のパートに戻る。エンディングではフルートとラジオの音声みたいなのが挿入され、終了。普通の曲にいきなりハードなインストを挟み込んだ微プログレな一曲。落差がすごい。
10.Peace (3:50)
インスト。落ち着いた印象のあるしめやかな最終曲。綺麗なツインリードが冴える。
かなり力の入った出来で、確かに力作なのだけれど、秀逸なヴォーカルと歌メロが好みだった前作の方が個人的には好きだなというところ。今作ではわりとアメリカンな色も濃いので、そこらへんは好みが分かれるところだろうか。ただ、中近東色の導入は面白い。
爽快なギターがたくさんつまった力作ギターロックアルバム。秀作。
以下、2006年のスリーブケース付きスペシャルエディションのボーナストラック。Amazonのトラックリストには載っていない。
11.Hard on You (Studio 2005) (4:42)
12.Almighty Blues (Live 06) (7:18)
13.Tales of the Wise (Live 06) (10:54)
Hard on Youはアウトテイクか。メロディは結構良くて、落ち着いたバラードとして良い曲。エンディングのギターパートも叙情的で良い雰囲気なのに、なぜこれがアウトテイクなんだろうか。次回作にはカラーが合わなかったのか。
以下はライブテイク。メンバーチェンジ後のテイクが収録されている。
Almighty Bluesはソロパートがより拡張されて演奏されているエクステンドバージョン。
Tales of the Wiseは前作収録のプログレチックな曲。やはり良い曲。ヴォーカルも比較するとアレだが、これも悪くはない。
下は元々のジャケ画像。なぜか日本風。

- アーティスト: Wishbone Ash
- 出版社/メーカー: Bacillus
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Amazonは高すぎるのでHMVにリンク。下のURLのトラックリストは間違っているので注意。
Bonafide : Wishbone Ash | HMV&BOOKS online - TECD088