- アーティスト: Satellite
- 出版社/メーカー: Metal Mind
- 発売日: 2008/01/22
- メディア: CD
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サウンドは相変わらず、切り込むような鋭さのギターとスケール感のあるキーボードを軸にして、現代的なハードサウンドとスピーディな場面転換でまとめ上げている。アコギやヴィブラフォンなども活躍していて、要所で叙情的に静と動のダイナミクスに貢献している。パーカッションも多用されていて、さらに打ち込み的なデジタルサウンドも前作より増えている感じがあり、ドラムが中心メンバーなだけあって、リズムのアレンジは多彩。
2007年リリース作品のなかで、かなり期待度の高いアルバムで、評判通りの充実ぶりではある。特に個人的には五曲目一曲だけでもかなりの高評価。ただ、実力は伺えるものの、メロディの印象深さではSatelliteよりCollageに分があるという印象。Satelliteでは、デジタル色の導入と、よりハードでタイトなサウンドを志向しているようだ。
1.Into The Night
パーカッションとアコギにメロトロンが絡み、雰囲気満点のオープニング。ヴォーカル、ヴィブラフォンも絡んできて、そこからダイナミックにギターが切り込むさびへと展開する構成は非常に秀逸。特に印象的なのは、後半でメロトロンが主題をリフレインするところで、ここでのメロトロンの響きはひどく哀切で素晴らしい。まるで眠りに誘うようなアウトロのヴィブラフォンが良い。
2.Dreams
前曲最後で夢に誘ったためか、夢というタイトルで13分に及ぶ大作。夢という割には初っぱならからギターが切り込む鋭角の展開。パワフルかつハードな曲調で、ギター大活躍。中間部ではデジタルなパーカッションが活用されていて、とにかくノリの良さを失わないようにタイトな構成になっている。ラストはやっと叙情的で緩やかなメロディに展開し、ほっと一息つく感じだ。
3.Downtown Skyline
このドラムサウンドはエレドラだろうか。リズムトラックのデジタルな質感がきわだつダークな曲調。後半はキーボードワークが光る一曲。Collageではシンセストリングスを多用していた印象だけれど、Satelliteのキーボードはより音色に多彩さがあるように思う。
4.Lights
ざわめくようなSEをバックに流しながらのピアノソロ。このアルバムは基本的に曲間がなく途切れなく曲が続いていく。
5.Don't Walk Away In Silence
Progarchivesで試聴して、なんたる名曲か、と驚愕し、即座に注文をかけたきっかけの一曲。導入のロボットの歩行音みたいなデジタルなSEからギターの天にも昇るようなハイトーンのメロディへの展開に痺れた。歌メロからギターソロへのダイナミックな展開が素晴らしい。とにかくギターのメロディが秀逸で、ツボに嵌りまくる。ギターソロからキーボードへとソロを引き継ぐ中盤の展開も良い。ラストのサビが終わった瞬間、高音から切り込むギターソロの格好良さは抜群だと思う。現代的なサウンドをプログレに導入した一曲としてFrostの曲とも通じるものがあると思う。
6.Heaven Can Wait
サビのメロディが素晴らしい。んだけど、ちょっと聴いていて緊張感を維持できない感が。メロディは良いだけに余計そう感じる。
7.Forgiven And Forgotten
中間部にハードなパートがあるものの、穏やかな雰囲気があり、アルバムの最後を飾るにふさわしいエンディング。
以下デジパック版限定のボートラ。
8.Time Stands Still
9.Around The World
ともに佳曲ではあるけど、ちょっと印象に薄いな。インストパートが弱い。