- アーティスト: Trey Gunn
- 出版社/メーカー: Inside Out U.S.
- 発売日: 2003/11/18
- メディア: CD
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さて、トレイ・ガンといえばご存知90年代のダブル・トリオ編成(ギター、ベース、ドラム各二名)キング・クリムゾンのメンバーとして知られたプレイヤーだ。彼はそこで、Warr Guitarという非常に珍しい楽器を演奏していた。
見た目はオフィシャルサイトを見て欲しい。
http://www.warrguitars.com/WarrRSS/Warr%20Guitars.html
触ったこともないし詳しくは分からないが、基本的にはタッチギターの一種。弦数は8本のものと12本のものとがあるようだ。タッチギターというのは、普通のギターと違い、どういう仕組みか知らないが、弦を押さえただけで音が出る。左手でコードを押さえたりする必要がないので、両手が演奏に使えることになる。ウォーギターは簡単に言えば、ベースとギターをくっつけたようなもので、右手でベースのパートを弾きつつ、左手でギターのパートを弾いたりすることができるらしい。
で、このウォーギターを弾くトレイ・ガンの格好いいこと! ギターを両手で抱え込むように持ち、弦の上を自在にスライドさせてしなやかに演奏するスタイルがとても良い。
で、上記リンクのアルバムはトレイ・ガンの2003年リリースのベストアルバムで、DVDがセットになったエディション。是非とも演奏風景が見たかったので。
CDの方は、これまでのいくつかのソロアルバムからまんべんなく、という感じで、ソロを聴いてない私には選曲については云々できない。
曲調は独特。一曲目冒頭からサズ(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%BA)が聞こえてくるうえ、ドラマーはタブラを多用していて、非常にエスニックな雰囲気がある。基本はテクニカル志向なプログレ、というか80年代のディシプリンクリムゾンとか、90年代のConstrukction of Light期にあった、ミニマムミュージック的なアプローチが見受けられる。また、師匠譲りなのかサウンドスケープ的な曲も何曲か入っている。
曲自体は面白いと思うものが半分くらい、という感じで、聴くだけでは私にはいまいちウォーギターがどう生かされているのか分かりづらい。良く聴くと、ベースを弾きながら、ギターパートで普通のギターとユニゾンしていたりする箇所があったりする。
DVDの方は基本的に、ウォーギター二人とドラム、ギターの四人編成でのライブ映像が七曲ほど収録されている。他に、適当な映像と音楽を合わせたものがある。
ライブはかなり興味深い。そもそもウォーギターが二人いるバンドなんてこのトレイ・ガン・バンドくらいだろう。ギターは曲によってはサズだったり、ドラムはやはりタブラを多用していたり、編成の奇妙さは群を抜く。また、ウォーギターもタッピングしまくりギターソロを披露したかと思えばボトルネック奏法みたいに何かを持ってスライドさせまくったりしている。うーん、奇天烈。
ただ、いくつかの映像については、変なエフェクトが掛けられていて、せっかくの演奏が見えない。演奏風景にエフェクト掛けるやつはしばしばいるが、どうしてこういうのがいなくならないのか。それがミュージシャン側の要求なのかも知れないが、私はスクリーンセーバーが見たいのではない。
このDVDから抜粋したらしき映像がYoutubeにあった。
Trey Gunn - Sozzle
Trey Gunn - Rune Song :The Orgin of Water (excerpt)
面白いなー。しかし、バンド編成なので、ウォーギター単独での演奏はないものかとちょっと探してみたら、ウォーギタードットコムにも名前がある、製造者の一人らしいJim Wrightの演奏風景があった。ドラムとのデュエット。
ほとんどキーボードみたいな音がする。