Flairck - Bal Masque

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アコースティックトラッドグループ、フレアークの1984年作。オランダ語のブックレットは読めないので、詳細がわからないが、これはマスク、とあるように、「仮面舞踏会をテーマにしたバレーの音楽として作られ」ているらしい。あ、一応オフィシャルサイトに、英語の解説がある
Flairck :: Discography - CD
ベースのハンス、フルートのアネットが抜け、Visser家はエリックだけとなった。また、今作ではオーケストラが加わっている。そのため、音楽性は軽やかなアクロバティックトラッド、というよりはクラシカルかつダイナミックな面が強く出ている。これはこれで良い。

企画ものではあるので、いつものフレアークというわけではないが、オーケストラとのダイナミックな共演が楽しめる。聴き所が少ないとは思うが、なかなかの好盤。

1.Ouverture (2:51)
トラッド演奏とオーケストラが共演する叙情的でダイナミックなオープニング。コーラス隊などもいるようで荘厳な雰囲気が演出される。
2.De Gravin (3:25)
一転、アコースティックギターをメインにした素朴な曲。
3.Presto da l'Estate (2:44)
ヴィヴァルディ「四季」の「夏」から、三つ目のパート「夏の嵐」のアレンジ。元曲はわからないが、かなりスピーディかつスリリングに展開していく。ヴァイオリンとフルートがリードする聴き応えある一曲。
4.Inventies (6:46)
「Inventive」、創意に富む、という曲名のこれまた迫力ある演奏が聴ける今作のハイライト。冒頭はヴァイオリンとオーケストラのリードする静かなパート。フルートが入ると、オーケストラも明確なメロディを奏で始め、徐々に雰囲気が盛り上がっていき、マリンバ、フルート、オーケストラが勇壮なテーマを演奏しはじめる。このメロディ、でも以前のアルバムで聴いたような気もする。オーケストラの演奏が一端終わると、アコースティックベースによるソロパートから、またもやフルートを導入にして勇壮なテーマのアレンジが加えられたリプライズ。トラッド的な軽快さは減退するが、オーケストラを導入してのダイナミックなアレンジが決まっている。
5.De derde Wals (5:45)
「The third rolling mill」アコーディオンなどの牧歌的な楽器の響きが印象的な素朴な曲。中盤、ヴァイオリンの高速フレーズなどが差し挟まれるが、またも冒頭の牧歌的なテーマが戻る。ラストは壊れた再生装置がなんども同じ部分を繰り返す趣向の、ユーモラスな構成。
6.Tango/Les Riches (9:09)
冒頭、緩やかなパートが終わると突如始まる、アグレッシヴでスリリングなバンドアンサンブルが素晴らしい。激しいカッティングはアコギだろうか、白熱した演奏だ。それが終わるとまたもや静かなパート。そこから再度、激しいパートに始まるかと思いきや、前作でのムスタキ作曲だと思われるヴォーカルパートへ。後半は調子がちょっと変わって、オケが音量少なくアカペラっぽくなる。
7.Het debat (2:46)
「The debate」エスニックパーカッションを多用した、なんともオリエンタルな曲。
8.Nocturne (3:44)
アダルトなサックスやヴァイオリンが穏やかにメロディを奏でる。
9.Reprise (2:42)
キーボードかコーラスかという音がムーディに全体を覆い、そこにタブラっぽいパーカッション、アダルトなサックスらしき楽器がリードを取る。派手ではない荘厳さ。
10.De Amsterdamse Grachten (2:28)
ラストも、非常に穏やかな雰囲気の曲。ここではアコギがメイン。

Bal Masque : Flairck | HMV&BOOKS online - 3768232

Variaties Op De Dame Live in Amster

Variaties Op De Dame Live in Amster

いつのまにかAmazonでもボックスを扱ってる。最初からあったっけか。まあ、でもHMVで買えば一万切るのだからわざわざAmazonでこれを買う意味はないな。